The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

一般演題(ポスター発表) » [ポスター発表13] その他

ポスター発表13
その他

Sun. Jun 18, 2023 10:00 AM - 10:25 AM ポスター会場 (1階 G3)

座長:遠藤 眞美(日本大学松戸 歯学部障害者歯科学講座)

[P67] 兵庫丹波篠山地区で口から始める多面的同時アプローチによるフレイル予防活動報告

○赤尾 光輝1、和田 圭史1、奥野 健太郎1、真砂 彩子1、小渕 隆一郎1、今岡 正晃1、髙橋 一也1 (1. 大阪歯科大学)

【目的】
フレイル予防は,身体的,精神的,社会的の多面的なアプローチが重要である。我々は、口から始めるフレイル予防の活動を行った。本活動では、口を入り口として,フレイルの身体面を鍛えるのと同時に,参加者に集っていただき,楽しみながら互いに交流することで,フレイルの社会面や精神面に対しても同時にアプローチすることを目的とした。
【方法】
地域の高齢者24名を対象に,口腔機能に関わる5つのテーマを設定し(口唇力,呼吸力,舌圧,咀嚼力,嚥下力),2ヶ月に1回,全5日間開催した。内容は、参加型の5つの構成(測る,学ぶ,楽しむ,宿題,効果)である。各テーマの口腔機能を測定(測る:リットメーターによる口唇閉鎖力、ピークフローメーターによる最大呼気流量、舌圧測定器による舌圧、咀嚼機能検査グルコラムによる咀嚼能力),講義(学ぶ),その後,各テーマの口腔機能を使ったチーム対抗のゲームを実施(楽しむ),自宅でできるリハビリの方法や器具,宿題達成カードをお渡しした(宿題)。そして,次回の開催時には宿題達成カードを提出してもらい,再度,前回のテーマの口腔機能を測定することで,効果を確認してもらった(効果)。活動前後の各口腔機能の測定値について対応のあるt検定を用いて統計解析を行った。
【結果】
活動介入により,口唇閉鎖力(1.18→1.569N, p<0.01)と舌圧(32.3→35.9N, p<0.05)は有意に上昇した。最大呼気流量(381.8→397.1L/min, p=0.303)と咀嚼能力(194.4→193.4 mg/dl, p=0.957)に関しては有意な差を認めなかった。活動終了時のアンケートの結果、口や身体が鍛えられた(身体面)と回答したのが12/17名。気持ちが楽しくなった(精神面)が11/17名。友人ができ地域のつながりができた(社会面)が11/17名と、目的通り身体面だけでなく精神面,社会面の効果を参加者に感じて貰えた結果となった。
【考察】
口腔を入り口とした本活動により,身体的フレイルだけではなく従来の医療では困難な,社会面,精神面,身体面の三位一体のフレイル予防行えた。フレイル悪化防止への効果が期待できると考える。
(COI開示:なし)
(大阪歯科大学医の倫理委員会 承認番号 110970)