一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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シンポジウム4
高齢者歯科の研究におけるリアルワールドデータの活用

2023年6月17日(土) 12:45 〜 14:15 第2会場 (3階 G303)

座長:
池邉 一典(大阪大学 大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学分野)
服部 佳功(東北大学 大学院歯学研究科 リハビリテーション歯学講座 加齢歯科学分野)

企画:学術委員会

[SY4-2] 大阪府後期高齢者歯科健診+医療レセプト一体型大規模データを活用した疫学研究

○山本 陵平1 (1. 大阪大学)

【略歴】
2000年大阪大学医学部医学科卒業
2000年~大阪大学医学部附属病院、大阪厚生年金病院、大阪労災病院に内科医(腎臓内科医)として勤務
2003年~大阪大学大学院医学系研究科博士課程
2012年~大阪大学大学院医学系研究科老年腎臓内科学助教
2015年~大阪大学保健センター講師
2020年~大阪大学キャンパスライフ健康支援センター准教授
2023年~大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター教授
【抄録(Abstract)】
1989年より厚生省(現厚生労働省)と日本歯科医師会は、生涯自分の歯で食べる楽しみを味わえることを目標として、80歳になっても20本以上の自分の歯を保つことを推進する8020運動を展開した。80歳で20本以上の歯が残っている高齢者は、1993年には11%であったが、2016年には51%に上昇しており、8020運動が大きな成果を上げている。一方、80歳で20本を目標とする8020妥当性に関しては、日本国内において数百人~数万人規模のコホート研究でしか評価されておらず、より大規模なコホートにおける検証が必要である。
 現在大阪大学では、2017~2021年度の大阪府後期高齢者医療制度の被保険者約200万人のうち、大阪府後期高齢者歯科健診の受診者約33万人を対象にした大規模後ろ向きコホート研究を実施している。歯科健診データと医療レセプトデータの一体型大規模データベースを作成した結果、歯科健診で評価された口腔衛生状態が様々な健康状態に及ぼす影響を評価することが可能となった。本講演では、歯科健診の測定項目のうち、最も基本的な口腔衛生状態の指標である歯数に注目して、歯数が様々な健康状態に及ぼす影響について明らかになった最新のエビデンスを紹介する。