第75回セメント技術大会

協会長ご挨拶

 
一般社団法人セメント協会
会長 小野直樹

於 2021年5月11日(火) ホテルメトロポリタン(池袋)
 

 
第75回セメント技術大会開催にあたって
 
 セメント技術大会は、今年で第75回を迎えました。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大に鑑み中止を余儀なくされましたが、今年はコロナウイルス感染症対策として実施方法をオンライン形式とし開催いたします。
 本大会は、1947年に第1回を開催して以来、セメント・コンクリートに関する基礎研究から、高度化・多様化するユーザーニーズに応える新技術の開発まで、幅広い内容の研究発表の場として、多くの研究者や技術者の皆様にご参加いただき、この間長年に亘りセメント産業の発展とセメント・コンクリート技術の向上に貢献をしてまいりました。今後も本大会を通じて技術の開発・向上を促進することで、セメント産業の社会的役割である、国民の生命と財産を守るインフラ構造物に必須となるセメントの安定供給と、産業廃棄物や災害廃棄物の受入れによる循環型社会の構築などに寄与していきたいと考えております。
 さて、今大会の概要ですが、一般発表の件数は133件と例年並みとなっております。発表内容の内訳は、コンクリートの耐久性に関するものが26件、混和材・混合材・混合セメントが18件、環境・リサイクルが10件、セメント、モルタルの性質と物性が8件、セメント系固化材が6件などとなっており、いずれも参加される皆様にとって大いに役立つ内容かと存じます。また、133件の約7割が優秀講演者の選考対象となる35歳以下の方からの発表であり、今年も本大会が若手研究者・技術者の登竜門としての役割を果たしているものと感じております。
 特別講演では東京大学公共政策大学院の有馬純教授から「地球温暖化問題をめぐる内外情勢と我が国の課題」と題して、また、基調講演では金沢工業大学の宮里心一教授から「コンクリート構造物の複合劣化」と題してご講演いただきます。現在の重要課題への取り組みに極めて有意義な知見を提供いただけると考えます。
 本大会が、セメント・コンクリートの研究者、技術者の方々にとって、様々な課題の解決、情報交換の場として有用な機会となること、併せて研究者・技術者の人材育成機会となることを願ってご挨拶とさせていただきます。