JCI Annual Convention in SAPPORO

実行委員長の挨拶

JCI年次大会(札幌)へのお誘い
 
コンクリート工学年次大会2019(札幌)
ずっと もっと つなぐコンクリート
 
実行委員長 横田 弘(北海道大学教授)
 
 コンクリート工学年次大会2019(札幌)は、「ずっと もっと つなぐコンクリート」をメインテーマとして、7月10 日(水)~ 12 日(金)の3日間、札幌市で開催されます。昨年は、日本にとって明治維新150 年の記念すべき年でした。開催地の北海道も松浦武四郎が蝦夷地を「北加伊道」と命名し、官民挙げての本格的な開拓が始まって150 周年を迎えました。そして、本年5月1日には平成から令和へと新たな時代のバトンタッチがなされます。この間に、人々のライフスタイルは様変わりし、経済・社会は急速な変革を遂げましたが、一方で地球温暖化に代表されるような地球の未来を脅かす負の影響も顕著になってきています。特に、最近の日本では、防災・減災あるいは災害からの復旧・復興や膨大なストックの維持管理、補修・補強、更新が喫緊の課題になっています。コンクリートは、本格的に建設材料として用いられた明治初頭より「ずっと」変わらずその役目を果たし、また、今後も「もっと」そのような役割を果たしていくことでしょう。そして、コンクリート技術者は、時代の要請に応じて生まれ出たコンクリート関連技術の本質を、また、優れた材料としてのコンクリートを将来に「つなぐ」役割を担っています。このようなことから「ずっと」「もっと」「つなぐ」を今大会のメインテーマとして設定しました。
 大会の会場は札幌市白石区にある「札幌コンベンションセンター」です。最寄りの地下鉄東西線東札幌駅から徒歩8分、JR 札幌駅や大通公園、あるいはすすきのからもアクセスの大変便利な場所に位置しております。
 コンクリート工学講演会では584 件の論文発表・報告が予定され、コンクリートに関する新たな知見の発表と、これに対する活発な議論・意見交換が行われます。コンクリートテクノプラザでは、87 社・グループ(100 小間)を設けての関連技術の展示・解説に加えて、技術紹介セッションにおいて57件の最新技術の紹介が行われます。生コンセミナーでは、「生産性向上と品質確保~未来へつなぐ生コンクリート~」をテーマに情報発信および意見交換を行います。特別講演会では、『寒冷地の工学「カーリングを科学する」研究プロジェクトの挑戦』と題して、北見工業大学教授の桝井文人氏にご講演いただきます。また、特別企画セミナーとして「コンクリートサステイナビリティ セミナー」、「コンクリート分野における女性活躍推進セミナー」、「第4回JCI-ACI ジョイントセミナー」を企画します。見学会は、初日に、「コンクリートの耐久性を探る〔未来につなぐ〕」として、初代十勝大橋供試体(苫小牧市)と小樽港北防波堤を巡るコース、2日目に「インフラと地域振興に触れる〔地域とつなぐ〕」として、札幌の水源地である豊平峡ダムとこの作業用トンネルを利用したダム熟成ワインを巡るコース、最終日に「さっぽろコンクリート秘話めぐり〔過去からつなぐ〕」として、さっぽろテレビ塔、創成橋、大倉山ジャンプ競技場の3か所を巡るコースを予定しています。さらに、これまでの「キング・オブ・コンクリート」に代わり、一般の方からも作品を募って、「つなぐ」をテーマとしたフォト・動画コンテストを行い、その入賞作品の展示会を開催します。
 以上のような企画で、年次大会が開催されます。コンクリートやコンクリート技術に関する最新情報の共有と発信を通して、これらが時代を経ても、ずっと、もっと人々や社会の発展に貢献し、時代をつなぐ役割を果たすことに寄与することを願っております。北海道の魅力は、美しく雄大な自然と道産の新鮮な食材を用いた美味な料理です。これらを堪能してくださることももう一つの目的として、多数の皆様にご参加をいただきますよう、心よりお待ち申し上げております。