日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS27] 大気電気学:大気電気学研究の自然災害軽減への応用

2019年5月28日(火) 09:00 〜 10:30 202 (2F)

コンビーナ:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、鴨川 仁(東京学芸大学教育学部物理学科)、座長:森本 健志

09:30 〜 09:45

[MIS27-03] 東京都内で夏季に発生した3つの雷雲セルの3次元的特徴について

*櫻井 南海子1Paul Krehbiel2William Rison2Ronald Thomas2Daniel Rodeheffer2清水 慎吾1岩波 越1前坂 剛1木枝 香織1宇治 靖1 (1.防災科学技術研究所、2.ニューメキシコ鉱物工科大学)

キーワード:雷

防災科研では、雷3次元観測装置(Tokyo LMA)による雷の連続観測を行っている。前回の発表では、Tokyo LMAで観測されたスーパーセル雷雲の雷の3次元的特徴について報告した。本研究では、2017年8月30日に東京都内に発生した一般的な雷雲セル3つの雷放電の特徴について報告する。雷雲セルは、14:00 JST頃のほぼ同時刻に、東西方向に並んで発生した。最初に雷放電を開始した真ん中の雷雲セルは、雲放電が対地放電より約20分先行して発生した後、対地放電が発生した。一方、次に雷放電を開始した西側の雷雲セルは、対地放電に先行する雲放電は観測されず、最初に対地放電が発生した。最後に雷放電を開始した東側の雷雲セルは、主に雲放電が観測された。また、これらの雷雲セル内で観測された対地放電のうち、Bolt from the blue(BFB)が複数観測された。BFBは、降雨域から離れた場所に落雷することがあるため、危険な現象である。Tokyo LMAで雷放電を3次元的に捉えることにより、BFBが首都圏で発生することを示した。