日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[O-06] 激甚化する風水害にどう対応するか

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 103 (1F)

コンビーナ:松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境科学専攻)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、和田 章(東京工業大学)、座長:和田 章(東京工業大学)、高橋 幸弘(北海道大学)

16:00 〜 16:15

[O06-09] 災害廃棄物管理の現状と課題-近年の災害からの教訓-

★招待講演

*森口 祐一1大迫 政浩2 (1.東京大学大学院工学系研究科、2.国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター)

キーワード:災害廃棄物、仮置き場、分別・処理、処理支援ネットワーク

巨大な津波により甚大な被害を受けた沿岸部を中心に、大量の災害廃棄物が発生した東日本大震災から8年が経過し、この間、南海トラフ地震や直下地震などを想定におきながら、廃棄物処理法、災害対策基本法の一部が改正された。巨大災害の発生時においても、災害廃棄物の適正な処理と再生利用、円滑かつ迅速な処理が確保されるよう、国、地方自治体、民間事業者などの関係主体の役割と連携強化が示され、とくに、処理の方針や体制について、平時から事前の備えを強化すべきことが強調された。行政、民間事業者、専門家からなる災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)の組織化や災害廃棄物の分別・処理のマニュアル化は、その後発生した災害時にも一定の貢献を果たしたが、事前の備え、発災時初期の情報伝達、仮置き場の確保などにおいて、なお課題を残している。東日本大震災以前に水害廃棄物の処理計画が策定されていながら、震災後の改訂時には地震、津波を主に想定していた事例もあり、近年の大災害から得た教訓を、風水害をはじめとする地震・津波以外の災害への備えにも適切に活用することが必要である。