日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-07] キッチン地球科学:手を動かす実験で頭脳を刺激しよう!

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:熊谷 一郎(明星大学理工学部)、久利 美和(東北大学災害科学国際研究所)、栗田 敬市原 美恵(東京大学地震研究所)

[O07-P01] 学際教育でのキッチン地球科学の活用

*久利 美和1 (1.東北大学災害科学国際研究所)

キーワード:キッチン地球科学、分野融合教育、学際教育

課題解決型の研究・教育が求められる中、大学では分野融合や学際研究を目的としたセンターやその人材育成を目的とした教育プログラムの導入が行われている。参加型のプロジェクトベースの手法が導入も積極的に行われている。

これまでのJpGU「キッチン地球科学」セッションでは、特定の現象への関心喚起や理解の助けを目的とした教材開発に焦点があったが、本論では、チームプロジェクト型の教育への応用について、いくつかの事例の類型化を行った。

主専攻外の教育プログラムのため時間的制約が大きいにもかかわらず、地域の中での実践を重要視しており、結果的に地域からの期待が大きい。
キッチン地球科学型:簡易アナログ実験を用いて災害メカニズムの理解をすすめるとともに、歴史資料から災害の頻度や規模、液状化現象や河川氾濫など特定の現象を多面的に扱うことも、同一地域で起こりえる複数の現象を扱うことも可能であり、歴史、メカニズム、対策、対応など、複数の分野から多面的に検討した一連の教育カリキュラムを作る課程で、分野間での考え方の特徴を相互に理解できる点で優れていた。

リビングサイエンス:カードゲームや通信端末を活用した教材開発が行われた。年齢や関心に応じたフレキシブルな応用に優れているとともに、可搬性に優れた教材であり、地域での実践の機会も多く、地域の声を聴くきっかけとして優れているとともに、教育効果の検証作業を行いやすい点でも優れていた。ただし、キッチン地球科学が本来得意としていた、アナログ実験的思考の要素は乏しかった。

ガレージ地球科学型:キッチン地球科学よりは材料費が高価であるが、市販製品を活用しつつ、目的に応じてカスタマイズし、チーム内での専門に応じた役割分担と効率的分業計画作成を学ぶ機会として優れていた。