日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL27] 地球年代学・同位体地球科学

2019年5月30日(木) 10:45 〜 12:15 A10 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、佐野 有司(東京大学大気海洋研究所海洋地球システム研究系)、座長:佐野 有司田上 高広

11:15 〜 11:30

[SGL27-07] カナダ・ラブラドールの堆積岩を用いた古環境の推定

*須藤 克誉1佐野 有司1小宮 剛1Bakert David2Michael Broadley2Bernard Marty2 (1.東京大学、2.CRPG-CNRS, Université de Lorraine)

カナダのラブラドール地方の39.5億年以上前の年代を持つと考えられる堆積岩において、田代ら(2017)の研究では炭酸同化起源とみられる、炭酸塩とグラファイト間における炭素同位体比(δ13C)のシフトが見られた。この結果から地球最古の生命の可能性が議論されたが、この堆積岩の形成年代は同じ地層とみられる5km離れた露頭で貫入している火成岩のジルコン年代に基づいていることから、正しい年代かどうかの議論となっている。
本研究では、この堆積岩の窒素同位体分析により、当時の大気組成及び生物作用と考えられる同位体シフトがメタン菌とシアノバクテリアどちらの作用と関わっているものかを炭素同位体比と併せて推定する。また、地球大気のキセノン同位体進化に基づく年代推定法を用いてラブラドール岩試料の年代を化学的に直接決定出来るかを試みた。