JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ]Eveningポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS17] [JJ] 湿潤変動帯の地質災害とその前兆

2017年5月24日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[HDS17-P04] 有限要素法を用いた岩盤不連続面の走向と線状凹地の形成位置の関係の解析

*遠藤 涼1須貝 俊彦1 (1.東京大学)

キーワード:有限要素法、線状凹地、不連続面、山体重力変形地形

線状凹地は,地形や地質構造,応力場によって規定され,山地の地形発達を理解する上で重要な地形である.本発表では,線状凹地の形成位置を推定するため,山地の簡易モデルを作成し,三次元有限要素解析を行った.解析に使用した使用したソフトウェアはAbaqus student edition 2016(Simula)である.
モデルとして,圧縮による逆断層によって形成された,節理が発達する山地を想定し,主稜線とその両側が谷に挟まれる理想化した山体を設定した.岩盤不連続面を,稜線方向に対して垂直な方向,平行な方向にそれぞれ設定した.さらに,稜線方向に対して垂直な方向,平行な方向にそれぞれ圧縮を加えて山体を変形させた.山体の物性は等方線形弾性体とした.
その結果,不連続面が稜線に対して平行なとき,圧縮方向により線状凹地の形成位置が異なった.圧縮方向が稜線と平行であるとき,稜線付近において不連続面で開口変形が生じた.その一方で,圧縮方向が稜線と垂直であるとき,斜面下方において不連続面に沿って縦ずれ変形が生じた.また,不連続面が稜線と垂直なときは,圧縮方向に関わらず,不連続面では顕著な変形は見られなかった.
これらの結果は,線状凹地の走向が稜線や節理方向と一致する傾向があること,また線状凹地が山地の斜面全域で形成されることと調和的である.