2021年第68回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

1 応用物理学一般 » 1.4 エネルギー変換・貯蔵・資源・環境

[17p-Z15-1~19] 1.4 エネルギー変換・貯蔵・資源・環境

2021年3月17日(水) 13:30 〜 18:45 Z15 (Z15)

小栗 和也(東海大)、佐藤 正志(東海大)、藤井 克司(理研)

14:30 〜 14:45

[17p-Z15-5] nmスケールの不純物領域での電子エネルギーとその太陽光発電への応用

城之下 勇1 (1.個人参加)

キーワード:太陽光発電、イオン注入、ドレスト光子

単結晶Siへの特殊なイオン注入により、nmスケールのドーパントリッチな領域を作成する方法が提案されている。本研究では、そのような領域によって生じるポテンシャル障壁をRitzの変分法により計算した。その結果、各領域のポテンシャル障壁の分布(確率密度関数)は大きな多様性を持ち、ある条件によってAM1.5の太陽光のスペクトルと同様の分布を持つことが判った。各領域に束縛された電子は、領域のポテンシャル障壁と同一のエネルギーを持つ光が入射した場合のみ、光のエネルギーを吸収し自由電子となる。この光エネルギーとポテンシャル障壁の共鳴による光吸収を太陽電池に応用すれば、従来のバンドギャップによる光吸収とは異なり、基本的にエネルギー損失のない光吸収機構が可能となる。本講演では、Ritzの変分法による計算の他、実際に必要な膜厚等の計算結果も示し、この機構の太陽電池への応用の可否を探る。