第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療安全

医療安全

座長:内田 荘平(福岡看護大学)

[22] 当院における着用型自動除細動器(WCD)着用率の実態調査

川北 紘輝1, 宇留野 達彦1, 峰松 佑輔1, 田中 勇真1, 太田 雄士1, 清瀬 佑二1, 山中 智裕1, 田靡 幸樹1, 楠本 繁崇1, 南 茂1, 高階 雅紀1, 中野 智彰2, 小津 賢太郎2, 岡 崇史2, 水野 裕八2, 坂田 泰史2 (1.大阪大学医学部附属病院 臨床工学部, 2.大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)

【背景】
着用型自動除細動器(以下WCD)は,着脱可能なベスト型の除細動器で,致死性不整脈による突然死の予防効果が証明されている.WCDの診断感度,特異度は植え込み型除細動器と同等である一方,ランダム化前向き研究にて,未着用時の死亡例を認めており,着用率の改善が課題として挙がる.本邦の実臨床におけるWCDの着用率についての報告は少ない.
【目的】
当院でWCDを処方した患者の着用率を精査すること.
【方法・対象】
本研究は単施設後ろ向き観察研究である.2015年3月~2020年11月にWCDを処方された23症例を対象とした.WCDの(1)実着用期間,(2)1日の平均着用時間,(3)着用率 [実着用時間)/(調査期間)]を解析した.着用の有無は患者の記録,遠隔モニタリングから判定した.遠隔モニタリングの通信不良により着用時間の集計が取れない症例と,着用の中断により実着用期間が1日未満の症例を除外した.
【結果】
対象の23名のうち,2名は通信不良,1名は着用開始日にアラームが頻発したため着用中断となり除外し,残りの20名を解析した.(1)平均実着用期間は,42.7(1-79)日であった.(2)1日の平均着用時間は,21.1±3.7時間,(3)着用率は88.4%であった.1日の平均着用時間は,13例において20時間以上,5例において20時間未満,2例において15時間未満であった.着用率は13例において90%以上を達成した.
【結語】
WCD着用率の調査をおこなった.今後さらなる着用率の改善のために,アラートに早期対応できるシステム作りや患者教育が必要であると考える.