第96回日本医療機器学会大会

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ポスター演題

ポスター演題

[PT8] 手術部専用・医療機器使用履歴管理システムの開発

中野渡 寛之 (㈲東奥電気)

【背景】
医療機器管理システムは,外来・病棟向けに開発されているものが一般的であり,多くのメーカで販売されている.しかし,手術部内と外来・病棟では,運用方法が異なることから,それらのシステムを手術部に適用することは効率的ではない.そこで弊社は,地元の病院の協力を頂き,手術部に特化した従来にはなかったタイプの医療機器管理システムを開発したので報告する.
【目的】
手術部内の医療機器管理に特化したシステムを構築することによって,各機器の稼働率を可視化する.
【方法】
本システムの特徴は二つある.1.使用登録する場所とタイミングを変えたこと.2.各機器のIDを簡略化したこと.一般の医療機器管理システムは病棟へ貸し出す際に,MEセンター内で使用登録し,返却も戻ってきたときに同センター内で登録する.一方,本システムでは各手術室に携帯端末を設置し,診療科を選択した後,QRコードの読込だけで使用登録(室番号,時間,登録者は自動入力)する.つまり,保管場所において庫出しするタイミングで登録するのではなく,使用する場所へ移動させてから,手術室内で使用登録する形とした.なお,手術が終われば必ず元の保管場所に戻すルールとなっているため,返却登録は不要である.もう一つのポイントはIDを簡略化したこと.各機器を6桁の数字でID化し,何らかの影響によりQRコードが読めなくても素早く手入力で登録できるようにした.手術部内の医療機器は,病棟に比べて台数が限られており,長いIDを振り分ける必要は無い.また,データベース上で病院資産管理番号やUDI(Unique Device Identification)と紐づけておけば,修理や廃棄などの際も機器を特定する上で支障はない.
【結果】
手術件数が比較的多い病院において,約2年間の運用を実施した.その結果,各機器の稼働率が把握できたことにより,医療機器の撤去や廃棄処分,手術部内の配置適正化に役立ったと報告がなされている.