The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Presidential Session

会長要望セッション02 パネルディスカッション(I-YB02)
先天性心疾患外科手術支援のための最新のコンピューター技術を用いた教育・診断・治療

Fri. Jul 9, 2021 3:10 PM - 4:40 PM Track2 (Web開催会場)

座長:市川 肇(国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
座長:鈴木 孝明(埼玉医大国際医療センター 心臓血管外科)

[I-YB02-1] 【Keynote】Basics of 3D printing and their applications to medicine - AI and 3D printing

森 健策1,2 (1.名古屋大学 大学院情報学研究科 知能システム学専攻, 2.名古屋大学 情報基盤センター)

Keywords:3Dプリンタ, 臓器モデル, 人工知能

本稿では、3Dプリンターの基礎について述べるとともに、その医療応用について述べる。診断治療において、対象とする臓器の形状を的確に把握することが重要である。X線CT装置などを用いれば、人体の3次元形態情報を画像情報として取得することができる。ここで得られる3次元画像は、ボリュームレンダリングなどのコンピュータグラフィックスの手法を用いることでコンピュータの画面上で3次元的に可視化でき、関空臓器内部などを含む任意の位置から観察することが可能である。一方、このような観察はあくまでもコンピュータ画面上での観察であり、視覚的、触覚的、あるいは、インタラクション的に不十分である。一方、3次元医用画像から臓器領域をセグメンテーション(抽出)した後、3次元プリンターを用いて臓器モデルを造形することで、実体臓器モデルを作成することが容易となった。最近では、3次元プリンターの急速な低価格化も進んでいる。。3次元医用画像から、臓器モデルを造形するには、臓器領域のセグメンテーションが重要となるが、これについても畳み込みニューラルネットワークに代表される機械学習技術(人工知能(AI)と表されることも多い)を用いることで、精度良く、かつ簡便に臓器領域のセグメンテーションが可能となった。3次元プリンターによって実体臓器モデル造形することのハードルが下がっている。3次元プリンターによって実体臓器モデルを表現する方法としては、形状露出法、内部構造造形法、形状モールド法、メタアノテーション造形法などがある。これ野良表現を、診断治療支援の目的に沿って選択することが必要となる。例えば肝臓手術の場合、肝臓外形を形状露出法で表現し、さらに、脈管系を内部構造造形法によって再現する。本稿ではこれらの3Dプリンターの仕組みや造形法などの基礎とAIとの融合を示し、その医療応用例について概説をしたい。