The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Presidential Session

会長要望セッション04 シンポジウム(I-YB04)
小児循環器領域におけるCT検査再評価

Fri. Jul 9, 2021 4:50 PM - 6:20 PM Track3 (Web開催会場)

座長:黒嵜 健一(国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
座長:中田 朋宏(島根大学医学部附属病院 循環器・呼吸器外科)

[I-YB04-4] Impact of Intra Cardiovascular Images Created by Dual Source CT in Surgical Planning for Complex Congenital Heart Disease

小澤 秀登1, 鍵崎 康治1, 竹原 貴之1, 福井 貴之3, 真鍋 隆夫3, 江原 英二2, 西垣 恭一1 (1.大阪市立総合医療センター 小児医療センター 小児心臓血管外科, 2.大阪市立総合医療センター 小児医療センター 小児循環器内科, 3.大阪市立総合医療センター 中央放射線部)

Keywords:CT, 複雑先天性心疾患, 手術

背景: Fontan循環の長期成績が明らかになる中、当院では積極的に2心室修復を目標としている. 術前の複雑先天性心疾患(CCHD)の心内構造の把握のためにdual source CT(DSCT)にて作成した内腔画像を使用しており、その有用性を報告する.対象:2019年以降、内腔画像を作成した57例中、CCHDの術前評価の目的で施行した32例.方法:画像はSOMATOM Force imaging deviceにて撮影.収縮期に焦点を合わせ、管電圧は70 kV、turbo flash spiralにて撮影し、Ziostation2にて心血管内腔画像を作成した.結果:年齢は6ヵ月(0-106ヵ月).体重は7.1 kg(2.5-22.9 kg).診断は、TF:7、TF/CAVC:2、DORV:11、TAPVC:6、ccTGA:2、大動脈弁上狭窄(SAS):2、TGA:1、LIH:1.撮影時の心拍数は115bpm(51-166bpm).被曝線量はCTDIvol:0.91mGy(0.51-1.63mGy)、DLP:16.1mGy・cm(8.3-33.9XmGy・cm)であり、診断レベルと比較し低い線量であった.心室内血流転換(IVR)症例が22例、心房内血流転換(IAR)症例が3例、SASにおける冠動脈との位置関係を目的とした症例が2例.IVR症例では、IVR patchの縫着位置、VSD前方拡大・DKS手術の必要性、また三尖弁前乳頭筋、冠動脈の走行から右室切開lineの決定に有用であった.DORV/dysplastic TVの1症例で、術前状態の増悪からDSCTと超音波画像のみで心内修復を施行できた.IAR症例ではLIH, isolated ventricular inversion、IVC interruptionの症例で、上下大静脈、肝静脈、肺静脈及び房室弁の位置関係が明瞭に描出されMustard patchの縫着位置の決定に有用であった.SAS症例では、冠動脈起始部狭窄合併の有無の診断に有用であった.すべての症例で、画像所見と一致する構造を術中に観察でき、術前計画手順の変更が必要な症例は認めず、有意な遺残病変は認めなかった.結論: DSCTによる心血管内腔画像は、低被曝線量で心血管内構造の詳細な描出ができることで、CCHDに対する2心室修復を行う際の有用な情報となり得る.