[III-TRS02-2] The role of physiotherapists in transitional care for patients with congenital heart disease
Keywords:移行医療, 運動制限, 身体機能
近年、先天性心疾患(CHD)の治療技術の発展により、95%が成人期を迎え、成人患者数が小児患者数を上回ることが予測されている。成人期へ移行した先天性心疾患(ACHD)患者の増加に伴い、「CHD患者の成人への移行に関する提言」が作成され、「多職種で構成される専門チームによる横断的診療体制の確立が必要である」と勧告している。
移行医療における理学療法士の役割は、身体機能や運動耐容能を向上させ、精神・身体的な発達を促し、生活の質(QOL)を改善し、社会的な自立を促すことである。しかしながら、ACHD患者の多様な疾患背景ゆえに、運動に関するEBMが確立されていないのが現状である。CHD患者は、幼少期からの運動制限や身体機能低下により劣等感を抱くことも多く、身体的制限が、精神的な成長発達に影響を及ぼすことが知られている。また、身体機能の低下が、社会的な自立を妨げ、QOL低下をきたすことも予想される。
当院では、小児から成人に至るすべての心疾患患者のリハビリテーション(以下リハビリ)を実施している。幼少期における運動制限は、「激しい運動、マラソンやプールは禁止」というような、どこまでの範囲を激しいとするかは、受け手の解釈の違いによる影響を受け、過度に運動制限をしている症例を経験することが少なくない。それゆえ、手術が必要なACHD患者は、術前より身体機能低下を認め、運動に消極的な患者も多く、術後リハビリに難渋するケースが散見される。ヨーロッパのステートメントでは、身体活動を制限するよりはむしろ奨励し、幼少期より適切な身体活動量を保つことは、健康を維持する上での利点となる事が明示されている。したがって、個々のリスクを考慮した身体活動量を維持するための指導が必要とされている。
本シンポジウムでは、当院のACHD患者の身体的特徴や身体機能、また、社会的背景における問題点と今後の課題について理学療法士の視点から提示する。
移行医療における理学療法士の役割は、身体機能や運動耐容能を向上させ、精神・身体的な発達を促し、生活の質(QOL)を改善し、社会的な自立を促すことである。しかしながら、ACHD患者の多様な疾患背景ゆえに、運動に関するEBMが確立されていないのが現状である。CHD患者は、幼少期からの運動制限や身体機能低下により劣等感を抱くことも多く、身体的制限が、精神的な成長発達に影響を及ぼすことが知られている。また、身体機能の低下が、社会的な自立を妨げ、QOL低下をきたすことも予想される。
当院では、小児から成人に至るすべての心疾患患者のリハビリテーション(以下リハビリ)を実施している。幼少期における運動制限は、「激しい運動、マラソンやプールは禁止」というような、どこまでの範囲を激しいとするかは、受け手の解釈の違いによる影響を受け、過度に運動制限をしている症例を経験することが少なくない。それゆえ、手術が必要なACHD患者は、術前より身体機能低下を認め、運動に消極的な患者も多く、術後リハビリに難渋するケースが散見される。ヨーロッパのステートメントでは、身体活動を制限するよりはむしろ奨励し、幼少期より適切な身体活動量を保つことは、健康を維持する上での利点となる事が明示されている。したがって、個々のリスクを考慮した身体活動量を維持するための指導が必要とされている。
本シンポジウムでは、当院のACHD患者の身体的特徴や身体機能、また、社会的背景における問題点と今後の課題について理学療法士の視点から提示する。