The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

画像診断

デジタルオーラルI(OR8)
画像診断 1

指定討論者:石川 友一(福岡市立こども病院)
指定討論者:瀧聞 浄宏(長野県立こども病院 循環器小児科)

[OR8-5] 緩徐ガドリニウム造影剤注入下MRI撮影による3次元画像解像度の追求

佐藤 慶介, 陳 又豪, 石垣 瑞彦, 芳本 潤, 金 成海, 満下 紀恵, 新居 正基, 田中 靖彦 (静岡県立こども病院 循環器科)

Keywords:心臓MRI, 3次元画像, ガドリニウム造影剤

【背景】心臓MRIには心大血管構造が得られるシーケンスがあり,先天性心疾患における形態把握が可能であるが,解像度がCTに比べ劣ることや,血管・心腔内の信号値が不均一になりがちであることから,本邦では形態把握においてCTが優先されている。そのなかで,ガドリニウム造影剤使用による解像度の向上を図ることができないかと考えた。【目的】ガドリニウム造影剤使用による3次元MRI画像の解像度を追求できないかどうか検討すること。【対象と方法】対象は2020年3月から2021年2月までに当院の心臓MRI検査において3次元シーケンスを行った28例。ガドリニウム造影剤使用例については,ガドブトロール0.1ml/kgを緩徐に注入し,撮影を開始した。28例のうち造影剤を使用した16例(14.8±6.8歳),造影剤を使用しなかった12例(15.4±6.9歳)について,血管内の信号が強くコントラストがはっきりついているかどうかを3段階評価(信号が不均一で構造評価が困難1点,信号が不均一ではあるが構造評価は可能2点,信号が均一であり構造評価が可能3点)をした。なお,評価は上行大動脈・下行大動脈・上大静脈・下大静脈・主肺動脈(Fontan型治療したものは肺動脈中央部)・左右肺動脈・左右肺静脈・冠動脈・左右心室・左右心房の14部位について行い,2群間で比較を行った。【結果】各部位の合計を比較すると有意に造影剤注入群の評価が高かった(造影剤注入群40.4±1.5 点,造影剤比注入群31.0±3.9点,p<0.001)。【まとめ】ガドリニウム造影剤緩徐注入下に撮影した3次元画像は先天性心疾患の形態把握に有用であるものと思われる。