日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー01] 等尺性下肢伸展力の立ち上がり率と垂直跳およびリバウンドジャンプパフォーマンスとの関係

〇図子 浩太佑1、苅山 靖2、吉田 拓矢1、図子 あまね3、大山 卞 圭悟1、尾縣 貢1 (1.筑波大学、2.山梨学院大学、3.国立スポーツ科学センター)

ジャンプパフォーマンスの向上を目指して効果的な筋力トレーニングを実施するために、下肢の爆発的な力発揮能力とジャンプパフォーマンスとの関係を把握する必要がある。爆発的な力発揮能力は、等尺性の力発揮から力の立ち上がり率 (RFD)として定量化できる。一方、代表的なジャンプ運動に垂直跳(CMJ)とリバウンドジャンプ(RJ)が存在する。どちらのジャンプも爆発的な下肢伸展力が必要となるが、発揮される力の大きさや動作時間などの違いが報告されている。したがって、CMJとRJの異なるジャンプ運動のパフォーマンスはそれぞれRFDと異なる関係を示す可能性がある。そこで本研究では、等尺性下肢伸展運動におけるRFDがCMJとRJパフォーマンスに与える影響を検討した。男子大学生競技者230名を対象に、等尺性の片脚レッグプレス運動とRJとCMJを実施した。等尺性片脚レッグプレス運動時の力の上昇局面前半、後半から算出したEarly RFD、Late RFDと上昇局面全体の平均値であるAverage RFD、及び力の最大値であるPeak force(PF)を独立変数、CMJの跳躍高とRJ指数を従属変数として重回帰分析を実施した。その結果、CMJの跳躍高とRJ指数に対してEarly RFDが最も高い標準化偏回帰係数を示した。また、CMJの跳躍高に対するPFの標準化偏回帰係数が0.08(p = 0.29)を示した一方で、RJ指数に対して0.24(p < 0.01)であった。以上の結果は、競技者のジャンプパフォーマンスと下肢伸展筋力を関連付けて把握するために、力の上昇局面前半のRFDを測定評価する必要性を示唆するものであることに加えて、PF はRFDを介してCMJに影響を与えている一方で、RFDとPF はRJのような極めて大きな力が発揮される運動能力に対してそれぞれ独立してパフォーマンスに影響を与えていることを示唆している。