日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー19] 野球の内野守備におけるバックハンド捕球後の送球動作のキネマティクス的特徴

〇小倉 圭1 (1.滋賀大学)

野球の内野手のゴロ処理においてアウトを取る確率を高めるには、送球パフォーマンスに着目すると、捕球からボールリリースまでの時間を短くすること、ボール初速度を大きくすること、目標とする野手へ正確に投げることが求められ、これらのパフォーマンスを最適化することが重要である。守備者から見て右方向の打球に対する守備は、一塁へ送球する場合、送球距離が長くなるためアウトを取るための時間的余裕が少ないこと、送球方向への十分な重心移動を伴った捕球が困難になることなどにより、極めて高い送球パフォーマンスが必要とされる。そのため、送球パフォーマンスを最適化するための捕球方法を選択する必要性が高い。右方向の打球に対する守備としては、主に打球の軌道に正対してグラブに手を添えて捕球する方法や、バックハンドで捕球する方法などが一般的に行われている。先行研究によると、送球パフォーマンスの観点からは、打球の右側に回り込む余裕が少なくなるほどバックハンド捕球の有効性が高まることが示唆されている。しかし、送球パフォーマンスを生み出す要因となる動作の詳細については明らかにされていない。そこで本研究の目的は、バックハンド捕球後の送球動作をキネマティクス的に分析し、打球の軌道に正対して捕球した場合の送球動作と比較することで、その特徴を明らかにすることである。大学野球内野手8名を対象に、打球の軌道に正対して捕球した場合およびバックハンドで捕球した場合の送球動作について、3次元動作分析法により比較分析した。本発表では、肩および腰の回転角度や身体重心の移動などの各キネマティクスパラメータを比較した結果について報告する。