日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー30] ラグビー競技における時間帯の得失点差が勝敗に与える影響

関東大学リーグ戦1部・対抗戦Aグループを対象として

〇木村 勇大1,2、松本 秀夫1,2、木村 季由2、八百 則和2 (1.東海大学大学院、2.東海大学)

ラグビー競技において時間帯の得失点差は試合を有利に進めていくために必要な要因である。古川ら(2019)は、ラグビー競技において、競技特有の得点方法の特徴や勝敗に影響する得失点の時間帯、得点方法のパターンを明らかにすることによって、適切な戦術や技術を駆使し有効な戦い方が可能になることを指摘している。そこで本研究は、大学ラグビーにおける時間帯の得失点差が勝敗に与える影響を明らかにすることを目的とした。

対象とした試合は、2019年度の関東大学リーグ戦1部・対抗戦Aグループ(以下、リーグ戦・対抗戦A)の全56試合とした。試合の記録から80分の試合時間を10分間隔とロスタイムの10カテゴリー(前半5、後半5)に分割しデータ化した。統計解析は、AMOS.V25(IBM)を用いて構造方程式モデリングから10カテゴリーの得失点差が勝敗に与える影響の分析を行った。解析は①全56試合、②リーグ戦、③対抗戦A、④最終得失点差1~14、⑤最終得失点差15~63、⑥最終得失点差64~134、⑦最終得失点差1~21、⑧最終得失点差22~134の8つに分類して行った。

その結果、①全56試合では31~40分(0.51)、②リーグ戦では31~40分(0.48)、③対抗戦Aでは、後半ロスタイム(0.51)、④1~14の試合では、すべての時間帯、⑤15~63の試合では、31分~40分(0.66)、⑥64~134の試合では、21分~30分(0.69)、⑦1~21の試合では、31分~40分(0.76)、⑧22~134の試合では、51分~60分(0.09)を除いたすべての時間帯で有意に勝敗に影響を及ぼす時間帯であった。

これらの結果から、大学ラグビーにおいては、④1~14の接戦の試合ではすべての時間帯、それ以外の点差がある試合では、前半終盤の時間が試合を左右する重要な時間帯であることが示唆された。