日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー51] テニスのグラウンドストローク遂行能力における評価方法の検討

移動を伴うバックハンドストロークについて

〇吹上 新悟1、牛山 幸彦2、大庭 昌昭2 (1.新潟大学大学院、2.新潟大学)

 試合において選手はゲーム展開を優位に進めるべく互いに攻防を繰り広げる。テニスの競技特性上、単に速いボールをコートの枠にコントロールすることよりも、自身や対戦相手の身体的・心理的状態を把握した上で行動を選択し、高い水準で適切な返球をすることが重要となる。本研究ではグラウンドストロークに焦点を当て、その遂行能力を正当に評価するために返球の難易度を段階的に設定した。打球位置までの移動を伴うバックハンドストローク動作について、各条件における打球データと自己評価シートに基づく認知能力を照合し、その階層性を示すことを目的とした。
 被験者はテニスの学生大会に出場する男子7名で室内カーペットコートにてボールマシンを使用し、返球の様子を3台のハイスピードカメラで撮影した。実験条件は打球範囲を固定し、ベースライン上に4つにスタート地点を設け、各地点から飛来するボールを2方向(クロス、ダウンザライン)に10回(/設定条件)返球させた。出力は70%以上で返球するよう指示し、実験後の自己評価シートへの記述を設けた。撮影した映像を動画解析ソフトに取り込んでデータ(球速・スイング速度・身体角度)を算出し、統計処理にはSPSSを用いた。
 被験者毎の動作と打球データ、自己評価シートから総合的にまとめた結果、打球時に移動速度を減速できない場合は返球が困難となり、スライスショットや弾道を高くしてコントロールを優先させることや、移動距離がない条件よりも3~4歩移動する条件の方が高い水準で返球する傾向が共通して確認できた。競技力の差に伴う個人差もあったが、その階層性が示唆されたので、ポスター発表においては移動を伴うバックハンドストロークの階層性についてまとめたものと、顕著であったストローク動作の変化や、自己評価シートの記述を示す。