粉体粉末冶金協会2023年度春季大会(第131回講演大会)

講演特集の案内

講演特集の案内
 

講演特集
1.各種粉末の焼結技術および焼結機構の新たな展開
 (Research Advances in Sintering Technology and Sintering Mechanism of Powders)
 本特集は,最近注目を浴びている3次元粉末積層焼結造形法に加え,パルス通電加熱やミリ波・マイクロ波加熱などの新しい焼結法について意見交換するとともに,粉末押出し法などの加圧焼結および従来の固相焼結,液相焼結について粉体粒子の焼結メカニズムの理解を踏まえた焼結技術の 現状と将来を展望することを企画します.各種粉末の焼結技術は,自動車 を始めとする精密機械部品の製造に対して基本的にますます重要となっています.雰囲気や加熱条件,熱源の操作条件,電磁場などの諸条件の影響,微量添加元素による焼結の促進効果,また,粒子間結合ネックサイズレベルの構造制御が材料機能特性に直接関わってくるため,基礎的な実験的・理論的研究,さらには新しい焼結法の提案なども含め,焼結技術に関連した講演を広く募集します.

2.磁性材料・磁気デバイスにおける微細構造制御と機能発現
 (Control and Manipulation of Microstructure in Magnetic Materials for Functional Devices)
 本特集では,ハード磁性,ソフト磁性等の様々な材料について,バルク,薄膜,微粒子等の形態を問わず,材料の磁気特性や応用先における機能と微細構造を結び付けて議論する多くの研究を紹介してきました.今回もこのテーマで,産官学から多くの機関の研究者が集い討論する場となることを期待して講演を募集したいと考えています.永久磁石用ハード磁性材料,パワーエレクトロニクスのためのソフト磁性材料では,新規材料設計や新規作製プロセスについて注目し,合金系磁性体からフェライトまで幅広く募集いたします.これらは持続可能でスマートな人に優しい社会を実現する上で必要であり,パワーエレクトロニクスにおいて不可欠の材料・デバイスで,日本が世界をリードする重要なものとなっています.また,通信技術の進展に伴う高周波対応材料・デバイスについても重要性がますます認識され,講演が増えております.さらに,磁性材料の応用範囲を拡大することが期待されるバイオや環境分野などについても、材料、デバイスの提案を含め、新しい話題提供の場となるようなセッションを構成したいと考えています.多くの皆様の講演申込をお待ちしています.奮ってセッションにご参加ください.

3.粉末製造技術とその応用
 (Powder Manufacturing Technology and Its Application)
 粉末製造技術は粉末冶金を始めとする粉末利用産業の基盤となる技術です.本特集は,金属粉からセラミックス粉,さらにはそれらの複合粉に至る幅広い種類の粉末の製造技術およびそれらの粉末の応用に関して幅広く議論することを目的としています.
 粉末製造技術には,アトマイズ法,粉砕法,電解あるいは化学還元法等の製造技術は勿論のこと,粉末の物理的あるいは化学的特性の改善を目的とした混合や表面処理など種々の二次加工技術も含まれます.製造された粉末の応用方法につきましても,粉末をそのまま使う用途,圧粉体としての用途,焼結原料としての用途に加え,最近注目を集めている積層造形用等も含め,あらゆる形態が議論の対象です.さらに,機械部品だけでなく磁性材料や電子部品等の機能材料に至る幅広い分野への応用についても議論したいと考えております.皆様からの積極的な参加を期待します.

4.各種外場環境下における動的現象の理解に向けて
 (Towards Understanding of Dynamic Phenomena under Various External Fields)
 電場,磁場,応力場,光照射などの外場の印加は、各種材料における焼結緻密化や微細組織形成過程,あるいは光学特性や力学応答などの材料特性に多大な影響を与えることが明らかになりつつあり,これら外場を積極的に利用した新たな材料製造技術や材料開発,また新機能発現に期待が寄せられています.さらに外場効果は,既存のプロセッシング手法と組み合せることで,これまでに知られていない新規な現象や機能発現の可能性すら秘めており,新たな学術研究領域の開拓や技術展開の促進に寄与できると期待されます.
 本特集では,外場効果に対する基礎的知見を深めるための討論と情報交換の場を提供することで,当該分野の活性化を推し進め、外場支援による新たなプロセスへと展開させる端緒となることを期待しています.様々な外場効果を利用した焼結・合成,さらに加工・成形等,動的現象一般に関係した基礎研究から応用に亘って講演を広く集めますので,奮ってご参加ください.

5.電気伝導性材料の新展開―電池用材料からエレクトロセラミックスまで
 (Developments in Electrical Conductive Materials: From Battery Materials to Electroceramics)
 我が国は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。さらに,これに伴う脱炭素化への対策を単に経済成長の制約やコストとして認識するのではなく,大きな成長の機会と捉えた「グリーン成長戦略」が示されています.このような経済と環境の好循環を掲げたグリーン社会の実現には,燃料電池,蓄電デバイスや熱電素子のみならず,これらを構成するためのイオン伝導性材料や半導体材料,さらには誘電体材料を含めて,エネルギー関連の電気伝導性材料に関する取り組みが重要です.
 本特集では,イオン伝導性材料,半導体材料,誘電体材料などを含めたエネルギー関連の電気伝導性材料について,興味をお持ちの方々の講演を募集します.また,これらの材料を用いた種々のデバイス(各種蓄電池、燃料電池、熱電素子、キャパシターなど)や新規な材料合成方法など,幅広い領域での講演発表を募集します.未完成の段階でも,アイディアの段階でも結構ですので,奮ってご参加下さい.

6.光機能材料の新展開
 (Future Development of Optical Materials)
 物質と光の相互作用はさまざまな光機能材料を生み出してきました.蛍光体やレーザーに代表される光源,光ファイバーなどの情報伝達材料,光信号を制御する光変調素子,光を受信する光検出器,情報を蓄積する光記録媒体など,その用途は広く,産業や医療などを根幹から支える重要な材料・デバイスとして認識されています.視点を変えると,半導体,誘電体,磁性体と光の相互作用に基づいて,発光ダイオード,太陽電池,光触媒,センサー,非線形光学材料,磁気光学材料などが開発され,それぞれの応用が広がっています.今世紀に入ってからは,ナノ構造を持つ金属や誘電体と光の相互作用が新しい観点から注目され,プラズモニクスやメタ光学といった分野が開拓されています.このような光機能材料の研究・開発に関する情報交換を行い,材料の新たな展開を探る目的で,講演特集として光機能材料の新展開を設けました.物質の基礎的な光物性,優れた光機能発現のための材料プロセスと特性評価,デバイスとしての応用など,さまざまな観点からの講演を募集します.奮ってご参加下さい.

7.ナノスケール材料の作製技術と機能
 (Fabrication and Functions of Nano-scale Materials)
 ナノ材料は,近年特に注目を集めており,セラミックス,金属,炭素などのナノ材料が作製されてきました.ナノ材料は,1つの方向のサイズがナノメーターレベル(一般的に1〜100 nm)である,ナノ粒子,ナノシートやナノチューブなどが含まれます.加えて,ナノサイズの細孔を有するナノポーラス物質も活発に検討されています.これらの材料はナノスケールの特徴を活用した様々な機能が発現することから,機能材料として大きな注目を集めています.本特集では,ナノスケール材料として、ナノ材料とナノポーラス物質等のナノスケールを活用した機能材料を取り上げます.関連分野の研究者との討論と情報交換の場を提供することで,本協会でのナノスケール材料に関する研究が活性化することを期待しています.奮ってご参加下さい.

8.メカニカルアロイング関連技術による新規材料創製
 (Novel Materials Syntheses by Mechanical Alloying-Related Technologies)
 メカニカルアロイングやメカニカルミリング,そしてメカノケミカル反応による粉末加工・合成・処理を利用した新材料開発や特性改善は,材料の種類を問わず様々な分野で利用されています.その応用範囲は活性な粉末特性を活かした触媒への応用,あるいは微細構造制御による各種材料の諸特性改善など多肢にわたっています.メカニカルアロイング関連技術の基礎や新規の材料設計や作製プロセスなど,材料の種類の囚われず様々な立場の研究者同士の意見交換の場を作りたいと思います.
 本特集では,メカニカルアロイング手法に関わるボールミル処理からメカノケミカル反応,さらには放電プラズマ焼結法などの様々な焼結技術を含めた材料開発に関する研究などを含めて広く講演を募集し,メカニカルアロイングに関連した知見や技術に関する活発な議論を期待しています.