日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

テーマセッション

[3B] 情報デザイン研究部会2「足元のWHYを問い直すデザイン」

2022年6月25日(土) 13:00 〜 15:00 口頭発表 第3会場

座長(テーマセッション):福田 大年(札幌市立大学)

14:20 〜 14:40

[3B-03] デザイナーの実践知を組織へ開き、巡らせていく方法の探究

組織で扱う変動性をもった知の表出化に関する実践と考察

*瀧 知惠美1 (1. 株式会社MIMIGURI)

キーワード:Reflection, Practical Wisdom

筆者は、さまざまなプロジェクトチームでリフレクションを実践しているが、そこで組織へ開かれる知には粒度の違いがあると感じ、その実践知の違いを4つに分類した。本稿では、実践知、特に組織内で応用可能な構造の知を、組織内で循環させていく活動の実践について考察する。筆者自身が関わった企業向けワークショップについて、当事者だけでは応用可能な実践知を見出しきれなかったため、第三者にこのふり返り会の話を聞いてもらい、応用可能な知のモデル化を試みた。その結果、当事者による実践をふり返る語りを起点に、当事者と第三者による対話の中で実践の解釈が深まり、他の実践にも応用して解釈できる知のモデルが見えてくることがわかった。この経験から、次の仮説が生まれた。
企業内での実践リフレクション対話の中で、1)実践の解釈を深めるキーワードの提示、2)実践に対する解釈の語り、3)実践の構造モデル化の3要素が相互作用し合うことで、実践の解釈が深まり、知のモデル化が進むのではないか。また、その機会が存在すると、次の実践における自分の行為を研ぐ方法が得られるのではないか。