日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

一般撮影 画像処理技術

2018年1月20日(土) 13:50 〜 15:10 第1会場 (2階 鳳凰の間(東))

座長:小林 弘幸(日赤和歌山医療センター)、岸本 健治(大阪市立大学医学部附属病院)

14:00 〜 14:10

[02] DR画像における2種の新画像処理とその特性比較

*岡崎 貴大1、尾崎 隆男1、藤田 知子1、中村 満1、中川 英雄1、藤川 慶太1、濱 康彦1、琴浦 規子1 (1. 兵庫医科大学病院)

【目的】新画像処理としてDynamic Visualization II(FUJIFILM,以下Dynamic処理)とREALISM(KONICA MINOLTA)が当院に導入された.それぞれの特徴のうち,ダイナミックレンジ圧縮(以下DR圧縮)及び階調処理パラメータに着目し,比較検討を行ったので報告する.

【方法】①20段のAlステップ画像にそれぞれの新画像処理及び従来画像処理を施し,DR圧縮の強調度パラメータを変化させてデジタル値をとり階調カーブを作成した.②厚さの異なるアクリル板と模擬椎体(厚さ15mmAl)を同じ条件で撮影し,それぞれの新画像処理及び従来画像処理を施して,模擬椎体部とその周辺部とのコントラストを算出した.③人体ファントム(京都科学社製)の頸椎側面画像にそれぞれの新画像処理を適用し,画像全体のヒストグラムを作成した.

【結果】①両者ともDR圧縮は強調度を強くするほど低線量領域及び高線量領域の可視領域は広がるが,Dynamic処理では濃度差がほぼなくなるのに対して,REALISMはある程度濃度差を保っていた.②低線量領域においてはそれぞれの新画像処理の方がコントラストが向上したが,高線量領域においてはREALISMはコントラストが向上したが,Dynamic処理では低下した.③頸椎側面画像のヒストグラムでは,Dynamic処理はREALISMと比較してDR圧縮によりヒストグラムの幅が狭くなった.

【結語】新画像処理は従来画像処理に比べ,両処理共に高線量領域と低線量領域の視認性は向上していたが,それぞれその描出方法には違いが見られた.