日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

一般撮影 長尺撮影・Exposure Index(EI)

2018年1月21日(日) 10:35 〜 11:35 第1会場 (2階 鳳凰の間(東・中))

座長:宮島 祐介(奈良県立医科大学附属病院)、西端 豊(大阪医科大学附属病院)

10:55 〜 11:05

[20] 画質指標としてのEI値の検討

*仲宗根 拓也1、宇戸 朋之2、宮野 英人1、増成 豊和3 (1. 市立豊中病院、2. 市立池田病院、3. 市立ひらかた病院)

【緒言】IEC62494-1が提唱されExposure Index(EI)の表示が普及しつつある.目標のEIとなる撮影条件で検出器へ一定のX線照射となるが,EIには線質依存が見られるため,線質が異なれば同じEIでも検出器への到達X線量が異なると思われる.しかし実際のX線撮影は,患者個々の体格の違いによる線質硬化の違いから同一撮影部位でも同一の線質で撮影が行われているわけではない.今回われわれは,被写体厚が異なる状況で等しいEIに対する画像ピクセル値の標準偏差(SD)の変化に注目し,被写体厚の違いのため線質の違いがある状況下で,EIによる画質コントロールできるのかを検討した.

【目的】同じ管電圧での撮影時,被写体厚によらずほぼ同じEI値を示す画像は,ほぼ同じSDとなる事を確認した.

【方法】当院での胸部撮影および腹部撮影を想定しアルミ板ファントム15mm,22mm,26mmを異なる被写体厚として,管電圧60kV,80kVそれぞれでEI値が600および1200に近づくように撮影条件を調整した.厚みの異なるアルミ板でのEI値が近い値のときのSDがどのような値を示しているかを確認した.なお当院の装置ではIECの定義とは異なる係数が用いられているがEIと検出器表面の線量は線形である.

【結果】同じ管電圧で厚みの異なるアルミ板のEI値が600に近い値のときのSDはそれぞれ近い値を示した.またEI値が1200に近いときも同様にSDはそれぞれ近い値を示した.

【結論】同じ管電圧の撮影でほぼ同じEI値を示したとき,被写体厚によらずほぼ同じSDになることが確認された.