日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

CT 性能評価・線量評価・その他

2018年1月20日(土) 13:50 〜 15:00 第2会場 (2階 鳳凰の間(西))

座長:室谷 夕子(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院)、関谷 俊範(神戸大学医学部附属病院)

14:00 〜 14:10

[30] 逐次近似再構成法のコントラストとFOVの変化に対する解像特性

*井本 圭織1、白井 清教1、坂下 直洋1、松井 等1、岡本 英明1 (1. 大阪国際がんセンター)

【目的】近年,CTの画像再構成法にはFBP法の他に逐次近似応用法,そして逐次近似法などがある.しかし逐次近似法を用いた画像のFOVやコントラストの変化による解像特性は明らかではない.そこで逐次近似再構成画像とその他の再構成画像のコントラスト,FOVに対する解像特性を比較し,検討する.

【方法】Aquilion ONE Genesis edition(東芝メディカルシステムズ社)を使用し,catphan600(The phantom laboratory社)を撮影した.FBP法と逐次近似応用再構成法,NPSモデル逐次近似応用再構成法には腹部用関数,逐次近似再構成法には腹部近似モデルを用いて横断面像を作成し,2つの手法で比較した.まず各再構成法でCTP404moduleの横断面像を作成し,4つのロッド(バックグラウンドとのCT値差:130,180,270,1000HU)に対してラジアルエッジ法を用いてMTFを計測した.次に各再構成法でFOVを240,180,120mmと変化させてCTP528moduleの横断面像を作成し,空間周波数の異なるラインペアを用いてMTFを計測した.

【結果】逐次近似再構成法ではコントラストが大きくなるほどMTFが向上した.一方で他の画像再構成法ではコントラストの変化に対してMTFがほぼ変化しなかった.従来の再構成法ではFOVの大きさによる変化はほぼ見られないが, 逐次近似再構成法ではFOVが小さいほどMTFが向上した.