日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

医療情報・読影補助・教育

2018年1月21日(日) 10:35 〜 11:25 第2会場 (2階 鳳凰の間(西))

座長:小川 宗久(神戸赤十字病院)、枚田 敏幸(済生会滋賀県病院)

10:35 〜 10:45

[45] スキルと若手教育を考慮した放射線技師スケジューリング問題のモデル化

*日高 国幸1、湯浦 久志2、宮本 俊幸2 (1. 大阪大学医学部附属病院、2. 大阪大学大学院 工学研究科)

【目的】スタッフの人的資源量の限界,最新技術の導入による労働負荷の上昇により,現場でスタッフを最適に配置することが煩雑になっている.本研究では各スタッフの能力に関する制約や,スタッフの教育を考慮した勤務配置の最適化モデルを構築し,簡易データにて検証した.

【方法】放射線技師の勤務配置を整数計画問題として最適化モデルを構築した.各日をモダリティ,部屋,時間帯で区切ったシフトにスタッフ1人以上を割り当てた.放射線技師のスキルとして自己スキル,教育スキル,責任者スキルの3つを用意した.その他,夜勤の非番などの縛りを含め計32の制約を組み込んだ.全スタッフの労働負荷の平均を最小化するような目的関数を与えた.構築したモデルの確かさを確認するため,簡易データで計算機実験を行った.簡易データのスタッフ数は61,シフト数は2337,研修スタッフ数は2,日数は38,必ず割り当てるシフト数は2275,モダリティ数は15,部屋数は52である.各シフトの労働負荷を日勤は平日休日共に1,準夜勤は3,深夜勤は5とした.計算にはツール(IBM ILOG CPLEX ver.12.6.2)を用い,分岐切除法により行った.

【結果】求解に要した時間は43秒であった.スケジューリング期間内のスタッフの割り当て,スキル,研修,責任者,非番に対して制約違反なく配置されていることが確認できた.また本モデルでは最大28%の労働負荷のばらつきが見られた.

【考察】簡易データより複雑な実現場への適用を考えた場合,計算時間の短縮が今後の課題である.

【結論】スタッフのスキル,若手の教育に関する要素を取り入れた整数計画モデルを構築できた.