日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

医療情報・読影補助・教育

2018年1月21日(日) 10:35 〜 11:25 第2会場 (2階 鳳凰の間(西))

座長:小川 宗久(神戸赤十字病院)、枚田 敏幸(済生会滋賀県病院)

10:45 〜 10:55

[46] 診療放射線技師による緊急検査画像チェックの精度を高めるために

*徳永 真司1、土`井 司1 (1. 社会医療法人 高清会 高井病院)

【目的】本院では,緊急搬送された患者に迅速に対応するために,診療放射線技師は検査実施と同時に画像チェック(簡易読影)を行い,主治医に情報を伝えることになっているが,疾患の見落としや間違いも発生している.今回,どのような症状や疾患の患者に見逃しが多いかを分析し,見逃しや誤チェックとなる要因と注意すべき症状と疾患を明らかにし,画像チェックの精度(正確度)の向上を目的とした.

【方法】2017年3月1日から2017年8月1日に救急搬送されCT検査を実施した患者の主訴と,技師による画像チェックと専門医による画像診断結果との比較を行い,技師が見逃しやすい疾患を抽出した.それを基に,見落とし症例となる症状や疾患を分析し,チェックシートを症状別に疾患を記載し消去する方法に変更し,その効果について検討した.

【結果】救急搬送後にCT検査を実施し,専門医による画像診断で異常が発見されたものは362件,特記すべき異常が指摘されなったものが234件であった.技師による検査チェックで所見と相違があったのが約21%,異常を指摘するも不足があったのが90件,誤った見解であったのが35件であった.新しいチェックシートへの変更後にても約20%の所見の相違があった.

【考察】症状別で疾患をピックアップしチェックする方法を新しく導入したが,画像における異常の指摘率は改善できなかった.これは主訴以外の疾患の見落としを改善できなかったためと,異常がなかった場合のオーバーリーディングが誤見解を生んだのだと考える.