日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

CT アーティファクト評価

2018年1月21日(日) 14:30 〜 15:10 第2会場 (2階 鳳凰の間(西))

座長:木村 紘也(箕面市立病院)、井上 健(奈良県立医科大学附属病院)

14:40 〜 14:50

[51] 小児頭部骨延長患者のCT検査における金属アーチファクト低減機構の検討

*岩見 健斗1、島田 真1、水野 直人1、藤原 高弘1、阿部 修司1、横井 章容1 (1. 大阪母子医療センター)

【目的】CT装置の金属アーチファクト低減機構(Single Energy Metal Artifact Reduction,SEMAR)は,体内に金属を有する患者の検査においてアーチファクト低減に有効とされている.当院でも股関節を金属プレートで固定している小児患者では,SEMARの使用はアーチファクトが低減され有用である.しかし,創外固定具を装着した頭部骨延長患者では,SEMARを用いてもアーチファクトが低減されない症例や,新たなアーチファクトが生じる症例を経験した.本研究では,小児頭部骨延長患者に対するSEMARの性能評価とアーチファクト対策についてファントム実験から検討を行った.

【方法】頭部骨延長用創外固定具を小児頭部ファントムの内部,表面,表面から1,2,3cmの位置に空気層及び吸収体を設け撮影を行った.それぞれSEMAR有無による再構成を行い,得られた画像のアーチファクトについてArtifact Index(AI)を算出し,評価した.

【結果】創外固定具がファントムに接している場合と内部にある場合ではSEMARによるアーチファクト低減効果が見られた.一方,創外固定具がファントムに接していない場合では,頭蓋骨内においてアーチファクト低減効果が小さく,SEMARを用いたことにより新たなアーチファクトが生じた.その部分のAIはSEMAR無しの3.97からSEMAR有りの5.23に増加した.また,吸収体を用いることでアーチファクトの低減効果が見られ,AIはSEMAR無しが6.36,有りでは5.72に減少した.今後,アーチファクト低減効果の程度などをさらに検討し報告する.