[PD3-2] 遠隔モニタリングデータに関する医師への報告について
心臓植込みデバイスに関する遠隔モニタリングは、2009年に本邦に導入されて、翌年には保険適応となった。更に2016年には、画期的な非対面での診療報酬加算が可能となり、実施件数は増加している。こうした遠隔モニタリングの有益性は、皆一応に周知されているが、伝送されたデータを解釈し、その後の患者管理の決定にも関与するメディカルプロフェッショナルの育成、多職種による遠隔モニタリング運用体制や緊急応答システムの構築など運用上の問題点も多い。特に学会ステートメントにも記載されている、月に1度の診療録へのモニタリング結果の記載に関しては、業務負担が大きく、各施設で様々な工夫が行われている。こうした業務負担を整理する上で、医師と技士とのコミュニ―ケーションは非常に重要となる。緊急アラートの設定は?心房細動の扱いは?不適切作動は?通信不良への対応は?等々の問題について洗い出し、医師と技士との間で共通認識やルール作成を行うことは非常に重要であると思われる。当センターでは現在、約500例に対して遠隔モニタリングを実施しているが、こうした様々な問題点について責任医師と協議し、デバイスチーム(臨床工学技士5名で担当)内で共有を図っている。特に、伝送データの1次的な解釈については、デバイスチームが責任を持っており、質の担保、責任の明確化、更には個々の負担軽減については重点的に協議している。今後も遠隔モニタリング症例は増加の一途をたどることが予想され、持続可能な体制作りについて、当センターの知見も交えて、デバイス好きの13人、更には当日視聴くださる方々と評定したい。