第28回近畿臨床工学会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション3
デバイス好きの13人 いざ、好きを語ろう

2022年10月9日(日) 13:20 〜 15:10 第2会場 (Zoom)

座長:坂本 亮輔(新宮市立医療センター)、髙垣 勝(滋賀県立総合病院)

[PD3-3] 持続可能なデバイス業務 ~教育とデバイスチーム編成~ 
業務を確立し、それをユニバーサル&サステナブルにするには

*飛田 祥伸1 (1. 兵庫医科大学病院 臨床工学部)

臨床工学技士が関わる心臓不整脈デバイス業務は多岐にわたる。当院においても植込み手術補助に始まり外来フォローアップや毎月の遠隔モニタリング関係などのルーティンワークや、救急搬送患者におけるデバイスチェックや緊急手術時の立ち会い等のイレギュラーな要望に対し緊急対応を行っている。そのため昼夜問わず早急な対応が必要な場合も度々あり、24時間365日のオンコール体制を敷いている。現在心臓不整脈デバイス植込み患者1512名に対し、不整脈領域の担当メンバーである臨床工学技士4名が対応しているが、年々増加する患者数に業務がひっ迫していく状況であった。
 この状況を解決するにはデバイス業務の担当メンバー増員を行う事が正攻法ではあるが、あらゆるトラブルを個人で解決することができる技術者を育成するには当然時間を要する。そこで今回当院は通常のコアメンバーの育成と並行して、ヘルプメンバーの育成を開始した。ヘルプメンバーの求められる知識量・技術力は植込み型心臓不整脈デバイス認定士取得レベルを基準とし、業務役割は予定されたペースメーカー立ち会い業務と緊急時の初動対応までに留め、ICD患者の対応や技術的に難しい業務についてはコアメンバーに引き継ぐ、もしくは電話やビデオ通話などで助言を求めながら行うように取り決めた。現在は育成を始めた段階ではあるが、コアメンバーレベルの技術力を求められることもなく比較的敷居の低く、増員も現在よりは行いやすくなるのではないかと期待している。
 今回当院ではこのような対応を行ったが、心臓不整脈デバイス植え込み患者を多数フォローアップされている他の御施設において、個々のメンバーの負担軽減をどのような形で実現されているのか拝聴したく存じる。