The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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シンポジウム

シンポジウム2
各専門領域での業務拡大に向けた将来展望 CEの伸びしろについて

Sun. Oct 9, 2022 2:10 PM - 3:50 PM 第1会場 (Zoom)

座長:小笹 真(第二冨田クリニック)、野村 知由樹(医療法人医誠会都志見病院)

[SY2-2] 在宅人工呼吸器業務における将来展望

*大野 進1、石井 菜緒美1、木村 優志1 (1. 滋賀県立小児保健医療センター、滋賀県立総合病院 臨床工学部)

【はじめに】
人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引などの医療的ケアが日常的に必要な医療的ケア児は全国で18,000人を超えており、今後ますます増加することが予測されている。その結果当院の臨床工学技士は、呼吸器の管理にとどまらず多くの在宅医療機器に関わりを持つ必要が出てきている。本演題では特に在宅人工呼吸器を中心に臨床工学技士の業務と今後の展望について述べる。
【院内における在宅人工呼吸器への関わり】
 入院中において在宅人工呼吸器への関わりは、睡眠検査、呼吸機能検査から呼吸器の導入、指導また退院後の業者との連絡、データ解析や家族からの相談等多岐にわたる。特に、人工呼吸器のデータ解析や外来での相談対応は、在宅状況を知りえる情報が多く、また在宅のケアを向上させることができる場合が多いため、これらの関わりについては今後診療報酬の算定が付くことを期待したい。
【在宅訪問】
 当院では、臨床工学技士が退院前後に自宅訪問に同行し、機器の設置方法や電源環境について助言を行っている。機器の環境整備は生活やケアにとって大きな意味を持つため非常に重要であると考えている。診療報酬の側面から臨床工学技士だけでの訪問は行っていないが、今後は臨床工学技士だけで訪問した際にも算定がつくようになることを期待したい。
【学校支援】
 滋賀県では、人工呼吸器を使用していても介護者の付き添いがなくても学校へ通うことができている。しかし医療的ケアが必要な生徒が増えているため、学校関係者の医療機器の理解が必要となる。そのため呼吸器が導入する際には学校関係者への指導を行っているが、依頼があれば医師、看護師、臨床工学技士で授業に赴き実際の現場でケアの指導や相談を行っている。今後学校支援の際にも診療報酬の算定が付くことを期待したい。
【結語】
 臨床工学技士が在宅に赴かなくても、臨床工学技士の特性を活かして院内から在宅を支えることも可能であると考えている。しかし今後ますます医療的ケア児や関わる医療機器が増加するため、在宅や学校にまで積極的に関われるように診療報酬の見直し等の環境整備が必要である。