The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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シンポジウム

シンポジウム2
各専門領域での業務拡大に向けた将来展望 CEの伸びしろについて

Sun. Oct 9, 2022 2:10 PM - 3:50 PM 第1会場 (Zoom)

座長:小笹 真(第二冨田クリニック)、野村 知由樹(医療法人医誠会都志見病院)

[SY2-3] 不整脈治療業務での業務拡大に向けた将来展望 ~CEの伸びしろについて~

*原光 佑一1 (1. 岸和田徳洲会病院)

現在、臨床工学技士の業務は多岐にわたっているが、専門性を重要視した認定制度も多くできている。不整脈領域に関してもいくつかの認定制度があり、さらに経皮的カテーテル心筋焼灼術(磁気ナビゲーション加算を算定する場合に限る。)に関する施設基準や冷凍バルーンアブレーションの施設基準、MRI対応植込み型不整脈治療デバイス患者のMRI検査の施設基準等で臨床工学技士の必要性が記載されており、不整脈業務での臨床工学技士の役割が期待されるものと思われる。
 不整脈治療分野のデバイスや治療においては近年、飛躍的に進歩しており私たち臨床工学技士もデバイス管理や機器操作を行うにあたって日々、情報の更新や機器操作など習得しなければならないことが多い。最近では立会い規制により業者の立会いが厳しくなっている現状であるが、特に不整脈業務においては、いまだ業者の立会いを必要としている施設が多いのが現状である。理由として、ペースメーカをはじめとするデバイス業務は取扱うメーカが多く、それぞれで操作法が異なることや覚えた頃にはまた新たな機能が搭載された機種が出てくること、アブレーション業務に関しては、心内心電図の理解が難しいこと、心内心電図解析装置および3Dマッピング装置の操作が煩雑であり、表示されたマップの解析も理解するまでに時間がかかること等、不整脈業務の習熟までには非常に多くの課題がある。
 デバイス管理においては生命予後の改善が証明されていることから遠隔モニタリングの導入が推奨されている。遠隔モニタリングの導入によって、デバイスのより詳細な情報を得る時間ができ、不整脈や心不全等の早期治療介入も行う事が可能となってきている。遠隔モニタリングによりデバイス外来管理業務の効率化等が期待されるが医師のみでの対応には限界があり、今まで以上にデバイス・患者管理の必要性が高まっており、臨床工学技士、看護師などとのチーム医療が必要不可欠となる。
 当院では、不整脈業務においても基本的にスタッフのみでの対応を基本としており、不整脈業務の習熟における課題をクリアすることにより不整脈業務における臨床工学技士の必要性を理解していただく事ができている。不整脈業務には課題も多くあるが、不整脈分野における臨床工学技士の必要性は今後も高まっていくと考えられる。