第16回日本薬局学会学術総会

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ランチョンセミナー

ランチョンセミナー3

Sat. Nov 5, 2022 12:10 PM - 1:10 PM 第3会場 (5階 502+503)

座長:坂本 直大(総合メディカル(株) 地域ネットワーク事業本部 在宅推進部 主任専門薬剤師)

共催:第一三共㈱/第一三共エスファ㈱

[LS3] 認知症の人と家族に今できること―多職種協働の大切さー

吉岩 あおい (大分大学医学部看護学科実践看護学講座老年看護学領域 教授/総合診療・総合内科学講座 診療教授)

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高齢者は、転倒、排尿障害、脱水、熱中症、嚥下障害など多彩な症候を抱えているため、「木をみるのではなく、森をみる」ような包括的医療が望まれる。
超高齢化社会の現在、認知症や骨折による寝たきりを防ぎ、健康寿命を延伸することが、大きな課題となっている。
2019 年に認知症施策推進大綱が発表された。認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していくこ
とが目標とされている。
2025 年に認知症は700 万人を超えるとされ、5 人に1 人が罹患すると推計されているが、早期発見・早期治療により、認知機能障害の進行と認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia: BPSD)を抑え
ることができることが明らかになっている。
認知症診療は、まず本人らしく生き続けられる環境作りが大切であり、多職種による協働が肝要である。認知症は進行性の疾病であるが、認知症の人の生活に根ざした「気づき」、診療に「つなげる」、そして服薬の継続などにより「支える」など、認知症の人が尊厳と希望をもって認知症とともに生きるために、薬剤師の役割がますます重要となっている。