第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-037-A] 点眼薬の使用手技実態調査~点眼薬の適正使用を目指して~

重松 博美1, 堀 絢一朗2 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 亀崎店, 2.総合メディカル(株))

【目的】
点眼薬の有効性及び安全性を評価するには点眼が正しく行われている事が前提である。しかし、薬局において点眼手技について調査した報告は少なく、不適切な点眼手技が潜在化している可能性が考えられる。そこで今回、点眼治療中の来局患者を対象として使用手技の実態調査を行った。
【方法】
2021年3月1月~2021年5月31日に当薬局に来局された自己点眼が可能な患者を対象とし、使用歴および点眼手技(滴下数・点眼後の閉瞼・点眼間隔・点眼ミス・涙嚢部圧迫等)について、アンケート調査を実施した。さらに同意を得られた患者に対して点眼手技の実技確認を行った。
【結果】
231名から回答を得た。回答者の点眼薬の使用歴は、1年未満6%、1-4年22%、5-9年23%、10年以上48%であった。回答者のうち196名(85%)に何らかの点眼手技において認識に誤りがあった。(1.滴下数:20% 2.点眼後の閉瞼:29% 3.点眼間隔:40% 4.点眼ミス:47% 5.涙嚢部圧迫:69%)点眼手技の実技確認に同意したのは231名中13名であった。そのうち8名は、自分では正しいと思っている点眼手技に誤りがあった。誤りがあった項目は滴下数(3名)、点眼後の閉瞼(3名)、涙嚢部圧迫(3名)であった。
【考察】
85%の患者において点眼手技の認識に何らかの誤りがあり、不適切な点眼手技により点眼薬の有効性や安全性を適切に評価できていない可能性が考えられた。また、実技確認の結果から、問題ないと思っていても、実際には手技が誤っている人が多数潜在していると推察され、薬局での服薬指導時の口頭確認だけでは見過ごされている可能性がある。一方で、点眼手技の実技確認への同意者が6%と少なかった事から、点眼手技の重要性が認知されていない実態が明らかになった。薬局で繰り返し点眼手技の重要性を啓蒙し、継続的に実技を交えた点眼手技の確認を行う必要があると考えられる。