第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-040-A] ポリエチレングリコール服用中の患者に対する薬剤師の介入指導により改善が見られた1例

辻 慎也, 畠山 規明 (たんぽぽ薬局 (株))

【目的】便秘は、食事や運動、水分摂取状況等、生活習慣因子の影響を強く受ける。今回、新規作用機序を有するポリエチレングリコールを使用している患者において、薬剤師の生活指導等の介入指導により改善が見られた1例の症例を報告す
る。

【症例】10代男性。現病歴・既往歴なし。併用薬なし。便秘の為受診し、ポリエチレングリコール開始。初回は4日間飲みきりで終了の処方であった。服用中は改善があったが、終了後は便秘に戻ったとの訴えで、2週間後に再受診し、ポリエチレングリコールとラクトミン配合錠が処方された。2回目の投薬時に、排便に関する詳細な聞き取りと介入指導を行った。症状としては腹痛やいきみなど排便困難感は少なく、残便感が強いとの訴えであった。介入指導には、協和化学工業株式会社が作成した「大人のためのおなかすっきりBOOK」という指導箋を用い、排便環境や食事・水分摂取・運動に関して情報提供を行った。飲水状況は500ML/ 日以下とのことだったので、500ML/ 日以上の飲水を指導した。食事状況については、野菜・乳酸菌の摂取が少なかったため、摂取を促す指導を行った。生活習慣については、朝の排便習慣の欠如の影響が考えられたため、朝の排便を意識・習慣化する指導を行った。投薬の2週間後に、電話フォローにて排便状況を確認し
た所、残便感は消失し、改善が得られた。<BR>
【考察】便秘は、多くの患者に発現しているが、生命に危険を及ぼすことはほぼないため、投薬時の詳細な聞き取りや介入指導については後回しにされがちである。今回のような指導箋を用いた介入指導を行うことは、排便状況の改善、さらには、多剤併用しがちな便秘薬の減量や休薬などに繋がりうると考えられ 、アドヒアランスの向上や、QOL 向上に寄与することが出来るのではないかと考える。