第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-058-A] うっかり服薬を忘れる患者の特性に関する研究

大嶋 繁1,2, 篠原 卓1, 堀井 徳光1,2, 高橋 直仁1, 三ヶ田 潤哉1, 吉田 暁1, 武藤 香絵1, 大島 新司1, 井上 直子1,2, 小林 大介1,2 (1.城西大学薬学部, 2.城西大学薬局)

【目的】「うっかり服薬を忘れること」は非意図的な服薬中断であり、服薬忘れの主たる要因として報告されている。薬物療法を評価するためには非意図的な服薬中断を抑制する必要がある。そのため、「うっかり服薬を忘れること」を抑制する方策を調査・検討した。
【方法】自己管理で服薬を継続している 20~70 代の慢性疾患患者を対象にインターネットアンケートを実施した。うっかり服薬を忘れる患者および、対象群としてうっかり服薬を忘れない患者の各 600 名を対象に、「薬のことを薬剤師に相談しやすい」、「薬剤師を信頼している」、「薬剤師はあなたのおくすりの使用状況を確認している」などの薬剤師側の要因と、「服用している薬が必要と思う」、「自分の病気のことを知っている」などの患者側の要因を調査した。調査項目の因子構造を検討するために、探索的因子分析を行った。次いで、抽出された因子が「うっかり服薬を忘れること」、「うっかり服薬を忘れる程度」にどのような影響を与えるかについて、ロジスティック回帰分析およびポアソン回帰分析を行った。
【結果】探索的因子分析の結果、2 因子が抽出された。因子1は「薬剤師を信頼している」、「薬のことを薬剤師に相談しやすい」などの薬剤師との関わりを表す項目であったため「薬剤師との関り」と命名した。また、因子2は、患者が薬の効果や必要性に対して積極性を示す項目で構成されていたため「薬物治療への熱意」と命名した。ロジスティック回帰分析の結果、「薬剤師との関り」は「うっかり服薬を忘れること」を抑制する可能性が示唆された。また、ポアソン回帰分析の結果、「薬剤師との関わり」、「薬物治療への熱意」は「うっかり忘れる程度」を低下させる可能性が示唆された。
【考察】薬剤師と患者の関わりを改善することおよび、患者の治療への熱意を高めるように薬剤師が介入することで、非意図的な服薬中断を抑制することが示唆された。