第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-064-A] 漢方薬の服用方法及び残薬状況と味との関連調査

小指 綾, 坪井 英莉子, 山下 直子 (たんぽぽ薬局 (株))


【目的】漢方薬は医療用医薬品だけに留まらず、市販薬としても広く取り扱われている。その一方で、用法だけでなく、種類によっては独特の風味があるなど、服薬アドヒアランスに影響しやすい要素が多い。そこで、漢方が処方されている患者の服用状況を調査し、その漢方がもつ味との関連を見ることで、適切な服薬指導につなげることを目的とする。
【方法】2021年9月から2022年4月までの8か月間に処方された漢方薬について、服薬指導時に服用時の工夫について聞き取りを行うとともに、残薬による処方日数調整の実施状況を調査し、処方されている漢方の味との関連性を調査した。
【結果】期間中、50名の回答が得られた。服用時の工夫を聞き取ったところ、19名(38%)が白湯に溶かして服用していた。また、白湯で服用している患者のうち、13名(68%)は甘草などの甘みがある生薬を含む漢方薬を服用していた。残薬による処方日数調整を実施していたのは50名中26名(52%)で、8か月間の同一科の処方回数のうち、処方日数調整の実施回数が50%以上占めているかつ自己調整の指示がない患者は9名(18 %)であった。そのうち渋み、辛み、えぐみ、苦みのいずれかの味を持つ漢方薬を服用していた患者は8名(89%)であった。
【考察】処方された漢方に含まれる成分により、それぞれ風味・飲みやすさが異なり、それが服用方法の工夫や服薬アドヒアランスにも一定の影響がある可能性が示唆された。服薬指導時、処方された漢方に含まれる成分にあわせた服用方法のアドバイスを実施することで、飲みにくさが改善され服薬アドヒアランスが向上することが期待できる。今後は個々の残薬理由をさらに踏み込んで聞き取ることにより、味以外にも影響している要素を拾い上げ、漢方の効果が最大限となるよう個々にあわせた服薬指導を実施する必要がある。