第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-082-A] 調剤薬局におけるお薬手帳用「栞」の利用で、妊娠の可能性がある女性をサポート!~患者主体の治療を目指して~

井手 健太1, 増田 つかさ2, 松元 知美3, 澁谷 文恵4 (1.産業医科大学病院薬剤部, 2.よりどころメンタルクリニック横浜駅西口, 3.産業医科大学医学部精神医学教室, 4.JCHO徳山中央病院産婦人科)

【目的】調剤薬局において、初回問診時に妊娠の有無の確認を行うが、再来局時に改めて妊娠の有無や挙児希望(不妊治療の有無を含む)を確認しているかどうかは不明である。そのため、我々は独自に2021年5月から患者主導でお薬手帳に使用できる「栞」の開発を行い、普及の為に調剤薬局へ提供し、患者へ配布する事とした。
【方法】妊娠の可能性がある女性が、調剤薬局で薬剤師に対し処方内容への特別な配慮を依頼するためにお薬手帳に挟む「栞」を作成し、薬局に提供した。サイズは3.3cm×10cm、提示忘れや落下防止の為、上部にクリップ状の切り込みを入れた。「薬剤師の方へ」の文字が手帳上部から出て目立つ様に工夫し、表面には現在・近い未来どちらもカバーできる表現で「妊娠の可能性があります」とし、裏面には説明を記載した。この「栞」の使用感について、患者へ配布を行っている調剤薬局へアンケート調査を行った。
【結果】調査期間において回答を得られた薬局は4施設だった。これらの施設では、患者は「栞」をうけとってくれたが、5段階リッカート尺度(「5:渡しにくかった」~「1:自然に渡せた」)で4を選択した施設が2施設、2と1を選択した施設がそれぞれ1施設あった。「栞」の配布枚数は、確認可能な施設(n=2)で10~27枚であった。調査期間において、「栞」を使用されている患者は確認できず、疑義照会に利用されることはなかった。全ての施設において、「栞」の配布を開始するときに門前の診療機関に相談しなかった。
【考察】調査施設において「栞」は配布されていたが、配布方法や使い方の説明を補足する資料があれば、より円滑な「栞」の配布が可能になると考えられる。使用されてないことに関しては、今後さらなる普及活動を行う事でより患者の活用が促進されるのではないかと考えた。