第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-087-C] 患者の視点から見たドライブスルー式投薬窓口の有用性および問題点に関する考察

末次 明美1, 岩本 貴幸1, 木下 優1, 大崎 友彰1, 山根 暁子2, 北 貴宏2, 尾上 洋3, 栗原 慎吾1 (1.(株)ファーマシィ ファーマシィ薬局美の浜, 2.薬局一部, 3.学術支援部)

【目的】ドライブスルー投薬窓口(以下DT)の利点として、利便性・プライバシー保護・感染症対策等が先行研究により示されている。同時に服薬指導が通常の投薬窓口よりも簡素・短時間化しやすいとの懸念も示されている。しかしこれらは薬剤師に対する調査結果であり、患者が服薬指導の簡素化や時間短縮をDTの利点として捉え利用しているかどうかは不明である。仮にその様な目的でDT利用を行っているのであれば、そのあり方を再検討する必要性も生じうる。この度、患者のDT利用に対する認識を明らかにし、有用性と問題点について検討することを目的にアンケートを行った。
【方法】2022/4/11~23 の開局日に当薬局の DT 利用者を対象にアンケートを実施した。解析は総合満足度と利用する理由の該当度の2視点に対し CS 分析を応用した手法を適応した解析した。解析に基づき縦軸に該当度の偏差値、横軸に重要度の相関係数の偏差値をとった4象限のグラフを作成し検討した。
【結果】欠測の無い180件を解析に用いた。DT利用は20~40代が多く、利用者全体の80%を占め、その内訳は89%が女性で90%が家族の薬を受け取るためと回答した。CS分析の結果、利便性に関する項目が重要度・該当度共に高い第1象限に位置した。服薬指導の簡素化に関する項目は、重要度・該当度の低い第3象限に位置した。
【考察】DT利用者の多くが子育て世代の母親であり、車の乗降の必要が無く子供から目を離さずに済むことを便利と捉えた利用、すなわち先行研究同様、その利便性からDTを利用していることがわかった。また、分析の結果DTの利用は服薬指導簡素化による拘束時間短縮を目的としたものではないと考えられ著者らの懸念は払拭された。患者のための薬局ビジョンにおいては、利便性だけでなく専門性の発揮も強く求められている。今後DTについて、利用者にとっての利便性に加え、一層の専門性発揮という観点においても継続して検討する必要がある。