第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-094-A] 新型コロナウイルス感染拡大時における薬局業務負担の変化の実態調査について

冨永 アリサ1, 西川 裕2, 槇原 真紀2, 松堂 莉奈3, 冨永 知志4, 三上 真司5 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 浦添当山店, 2.総合メディカル(株)そうごう薬局 新赤十字前店, 3.総合メディカル(株)そうごう薬局 壺川店, 4.総合メディカル(株)そうごう薬局 豊見城店, 5.総合メディカル(株))

【目的】新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)患者に対する薬局での対応について、発熱患者や濃厚接触者には別場所を確保するなどの措置を必要とするため、非感染患者への通常の調剤業務に影響を与えるなど、難しい薬局運営が求められている。そこで今回、薬局でのコロナ対応状況を調査し、コロナ前と比べて負担を感じる業務について検討したので報告する。
【方法】そうごう薬局の南部九州地区65薬局にアンケートを依頼。2022年1月より3か月間のコロナ関連患者対応として、0410対応、自宅宿泊療養、発熱外来での処方枚数を調査。また、調剤の各工程(受付・調製・服薬指導・交付)において通常対応と比較した業務負担増加の程度を10「とても負担増加」5「通常と変化なし」1「負担軽減した」の10段階で評価し、業務上の課題・工夫点を調査した。
【結果】58薬局より回答あり、うち52薬局でコロナ関連処方を応需。3ヶ月間の合計6,020枚、1薬局あたりの月平均38.6であった。内訳は、0410対応1,014枚(月平均6.5枚)、自宅宿泊療養724枚(4.6枚)、発熱外来4,282枚(27.4枚)。調剤の各工程の業務負担増加の程度の平均は、受付7.2、調製5.6、服薬指導7.1、交付7.2であった。コロナ関連処方枚数の月平均24枚以上の薬局では全体平均8.0、24枚未満平均6.9であった。また、受付業務の課題として「非感染患者と比較して収集すべき情報が多く、電話では十分に聞き出せない」との意見があり、患者情報聴取方法の違いによる業務負担増加を比較したところ、電話での聴取7.8(26薬局)、病院と問診票情報を共有5.8(5薬局)、それ以外の方法6.7であった。
【考察】今回の調査で、コロナ対応においては服薬指導や薬のお渡し以外に患者情報収集が業務の負担となっていることが示された。一方で、病院との情報連携で問題解決した例も見られたことから、効率的な対応を行うためには薬局間で工夫を共有することも重要であると考察した。