第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-105-C] 外来における内服抗菌薬使用状況の推移と評価について

金田 光弘, 近藤 績, 野坂 真弓, 徳光 寿佳 (伊達赤十字病院)

【目的】2016年に策定された薬剤耐性(AMR)対策アクションプランでは、2020年までに経口セファロスポリン系、マクロライド系、フルオロキノロン系は2013年度と比べて50%減少させることを成果指標として掲げている。<BR>今回は当院ICT薬剤師における使用量削減に対する取り組みと、外来で全ての疾患で処方された経口広域抗菌薬使用状況を調査したので報告する。【方法】使用状況の確認は2013年から2020年までの8年間の動向をAUD(抗菌薬使用密度)とDOT(抗菌薬使用日数)を算出し各々検証した。【結果】当院での2020年の使用状況について、2013年比でAUDでは第3セフェム系で26.1から12.4、マクロライド系で100.8から51.5、フルオロキノロン系においては23.7から11.9と3系統とも約50%減であり、また、DOTに関しても第3セフェム系で41.8から18.9、マクロライド系で175.3から82.1、フルオロキノロン系においては24.2から12.0と、約50%ずつの減であった。【考察】感冒等の抗菌薬の必要性がない経口広域抗菌薬の不適正使用に対する取り組みとして当院ではICT薬剤師によるAMRや抗菌薬適正使用に関する研修を、医師を含めた全職員対象とし、話題を変えながら年数回実施している(昨年はオンデマンドの院内Webで受講率100%)。また、ICTラウンド時のフルオロキノロン系経口薬の適正使用の確認や処方時のポップアップ機能(アラート)の使用等対策を講じ、そのアウトカム指標として現状を確認すべく外来の経口薬に関して使用状況の実態調査を行った。当院においては半分の削減目標に近い結果であった。2020年はコロナ禍の影響もあり、今回の結果を一概に比較検討することは難しいかもしれないが、2021年以降も使用動向を注視していく必要があると考える。<BR>また、今年度の診療報酬改定では診療所等の連携が取り上げられた。今後は地域医師会や保険薬局、保健所と協働し、地域医療の感染対策に貢献していく必要がある。