第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-114-C] 薬局薬剤師を対象としたアロマターゼ阻害薬と選択的エストロゲン受容体調整薬の併用に関するアンケート調査

濱野 昌子1, 児玉 暁人2 (1.一般社団法人 吹田市薬剤師会, 2.市立吹田市民病院 薬剤部)

【目的】アロマターゼ阻害薬(AI)と選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)の併用は、有害事象の増加やAIの効果減弱の可能性があるとして、乳癌診療ガイドラインでは両者の併用は推奨されていない。両剤の併用について各薬剤の添付文書には関連する記載がなく、他院からの処方として併用される可能性もある。薬局薬剤師はAIとSERMの併用が推奨されていないことを知っておくべきであるが、添付文書に記載がないことから、その認知度は不明である。今回、病院からのプレアボイド事例としてAIとSERMの併用についての情報を薬局薬剤師と共有し、その認知度を把握するためアンケート調査を行った。【方法】2022年1月~3月の期間、吹田市薬剤師会に所属する薬剤師に対し、AIとSERMの併用に関するアンケートを無記名で行った。アンケートはGoogleフォームを用いて作成し、QRコードを読み取ることで入力フォームへアクセスすることにより調査を行った。Googleフォームでの入力困難者に対しては、同一内容のアンケートを紙媒体により実施し、結果を集計・分析を行った。【結果】アンケート回収率43.7%であった(55/126)。AI及びSERMを調剤した経験がある割合はそれぞれ94.5%、100%、併用について推奨されていないことを知っていた割合は、50.9%、また、知っていたと回答した薬剤師のうち、どこで知ったかについて、勉強会が50.0%、ついで、日経DIクイズ17.9%、社内研修10.7%であった。また、病院とのプレアボイド事例の共有について96.4%の薬剤師が希望すると回答した。【考察】AIとSERMを調剤する機会は多く、また併用について勉強会で知ったという薬剤師が多くいたことが分かった。病院から薬局へプレアボイド事例を定期的に情報提供することで、病院で実際に起きた事例を薬局薬剤師と共有し、患者支援に役立てるツールとなる可能性がある。また、病院薬局間における薬学的知識の平準化に寄与できるのではないかと考えられる。