第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-116-B] 経口SARS-CoV-2感染症治療薬(ラゲブリオ®)の在宅患者緊急訪問薬剤管理指導及び服薬後フォローアップの取り組み

野寄 浩平, 飯山 教好, 戸塚 淳子, 塩谷 衣津子, 宇都 美由紀, 小幡 桂, 八木 実穂, 河島 悦子, 清水 典恵, 伊藤 譲 ((株)レーベンプラン レモン薬局三方原店)

【目的】2021年12月、経口SARS-CoV-2感染症治療薬であるラゲブリオ®(一般名:モルヌピラビル)が承認された。それに伴い、薬局薬剤師にもSARS-CoV-2感染症の治療に関わる機会が増えてきている。そこで、承認後5ヶ月間で当薬局が対応したラゲブリオ®処方患者へのアプローチ、医療機関との連携及び製薬会社への報告についてまとめる。
【方法】まず、当薬局従業員への感染リスクを最小限に抑えながらラゲブリオ®処方患者への円滑な対応をすること、及び、薬局内の全ての薬剤師が同等の対応ができることが必要であるため、業務手順を記したチェックリストを作成した。また、ラゲブリオ®は特例承認された薬であり、投薬後フォローアップも必要である。以上より、作成したチェックリストに沿って、早期治療開始のための緊急訪問による当日中の配送、感染防止のための薬剤師による電話服薬指導、服薬後の電話フォローアップ、医師への服薬情報提供書の提出、及び製薬会社への副作用報告を行った。
【結果】ラゲブリオ®の承認から2022年5月31日までの5ヶ月間において当薬局が対応したラゲブリオ®処方患者は47名であった。この47名全例に対して、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導に加えて服薬後電話フォローアップを行ったところ、服薬完遂率は91.5%(43名)であった。また、副作用と思われる症状が現れた患者割合は6.4%(3名)であった。
【考察】業務手順チェックリストを作成したことで、当薬局の従業員への感染を防ぎつつ、薬局内のどの薬剤師でも、ラゲブリオ®処方患者に対して必要事項を漏れなく対応できたと考えられる。また、全例に服薬後電話フォローアップを実施したことで、対応した全てのラゲブリオ®処方患者の症状の推移や副作用発現の有無、服薬コンプライアンスを確認することができたため、今回の経験を他の経口SARS-CoV-2感染症治療薬の処方に対しても同様に対応していきたい。