第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-119-B] 薬局における検査値に基づく調剤のアンケート調査

山本 由美1, 高崎 郁宏2, 野間 誠司3, 大久保 梨乃1 (1.(株)メディカル一光 フラワー薬局 中央店, 2.(株)メディカル一光 久居センター薬局, 3.(株)メディカル一光 フラワー薬局 信楽店)


【目的】医薬品適正使用の観点から、検査値に基づいた疑義照会が必要となることがある。検査値が記載された処方箋も増えてきたが、当薬局ではほとんどの処方箋に検査値記載がない。検査値記載がさらに普及すれば迅速で質の高い処方鑑査が可能になると思われる。そのためには薬局薬剤師による検査値に基づく調剤の有用性を証明することが重要と考え、検査値に基づく調剤の現状を薬剤師へのアンケートにより調査した。
【方法】2022年5月31日から6月3日の4日間、社内の薬剤師446名を対象にGoogleフォームを用い、薬剤師個人と92店舗の薬局単位のアンケート調査を行った。個人を特定できないよう、アンケートは無記名で行った。
【結果】薬局79店舗(回答率84.9%)、薬剤師254名(回答率57.0%)から回答を得た。回答者の65%は薬剤師経験10年以上で、回答者の約半数は5年以上同一の薬局に勤務していた。検査値を活用する場面は、薬剤が新たに処方される時が最も多く、続いて副作用を確認したい時であった。回答者の40%は検査値に基づく疑義照会を行ったことがあり、疑義照会が行われた場合の検査値入手方法は処方箋記載の検査値閲覧と、患者持参の検査表の閲覧が多数であった。疑義照会の結果、多くは何らかの処方変更が行われていた。7割以上の処方箋に検査値が記載されている薬局は79店舗中9店舗であり、それらはすべて病院前の薬局であった。回答者の80.8%が処方箋への検査値記載を希望していた。
【考察】検査値に基づく疑義照会は回答者の40%が実施していた。一方、今回の調査から検査値が記載された処方箋を応需する薬局は多くないことが分かった。処方箋に検査値が記載されていない場合には、患者、医療機関への確認が行われた。このことから検査値を記載した処方箋が普及することで、より迅速で的確な調剤が実施できるものと推察された。