第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-121-A] 薬局所属の管理栄養士が居宅療養管理指導を受けている患者に食事指導を行った2症例

永原 礼美1, 小澤 栞1, 福田 美幸1, 宮田 武志2 (1.(株)トモズ, 2.(株)メディテール)

【目的】在宅患者の増加に伴い、生活面や栄養面で問題を抱える患者が増加している。患者や家族だけでは解決出来ない為、居宅療養管理指導を受けている患者に対して、薬局所属の管理栄養士が薬剤師に同行し、患者の生活に則した効果的な食事指導を行った。【症例1】70代男性。独居。医師から腎障害に伴う食事の改善を求められたが、患者も家族も改善方法が分からず、薬剤師が相談を受けた。管理栄養士が通常の食事を確認したところ、たんぱく質制限だけでなく、エネルギー不足であることが判明。独居である為、複雑な食事管理は困難である。いつもの食事調達方法が主にネットスーパーであることから、注文する食材を組み合わせて、たんぱく質制限及びエネルギー不足に対応した食事に変更することが出来た。【症例2】80代男性。独居。退院後に医師から適正体重を維持するように指示があった。食事調達方法は、家族が1週間分の食品を買い置きしている。入院前は食欲旺盛で体重過多だった為、家族が薬剤師にアドバイスを求めた。管理栄養士が食事内容を確認したところ、一日の食事のエネルギー量が多く、要因は間食であることが判明した。家族と連携し、食事の量を減らすのではなく、出来る限り通常の食事で満腹感を得られるような内容にするように指導した。一度は体重過多になったが、現在体重は減少傾向である。【考察】患者が置かれている環境は緻密で複雑な食事管理が出来ていない場合が多い。在宅患者では、実現可能でかつ効果的に患者の生活や環境にあったアドバイスをする必要がある為、生活面や栄養面も確認する必要がある。管理栄養士が配置された薬局が増えていくことにより薬剤師と連携した食事指導がより行いやすくなることを望む。また、今後も管理栄養士として患者の課題を解決出来るように努めていきたい。