第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-126-C] トレーシングレポートを用いた円滑な医療連携の実現~残薬バッグから始まる患者意識の向上~

松村 翔輝1, 金井 邦紘1, 佐野 智也1, 高田 裕子1, 松井 洸2, 阿部 真也2, 峯岸 昇2, 山口 浩2, 吉町 昌子2, 野村 和彦2 (1.(株)くすりの福太郎, 2.(株)ツルハホールディングス)

【目的】残薬に対する薬剤師の介入不足が問題視されている。昨年、我々は、本学会にてポリファーマシーに関する薬局薬剤師の意識調査と取り組みの中でトレーシングレポート(TR)が有用であると報告した。本研究においては、薬剤師として患者側へ残薬に関してアプローチし、医師返信欄付きTRを併用し、円滑な医薬連携に繋がるか検討した。【方法】2019年9月1日から2022年4月30日までくすりの福太郎大島店を利用した以下の1~4をすべて満たす患者(1.残薬がある、2.コンプライアンス不良な薬がある、3.薬を減らしたい意思がある、4.6種類以上の内服薬が処方されてる)に対し、残薬バッグを配布することで介入を開始した。患者の服薬歴、症状、病態を総合的に評価し、残薬調整あるいは医師返信欄付きTRを用いて医師へ減薬等の処方提案などの情報提供を行った。【結果】残薬バッグは76名に配布した。残薬を持参された患者は31名だった。医師に残薬があることを悟られたくないといった意見などもあった中、薬剤師が必要と認め、同意が得られた8名でTRを提出した。3名に服薬支援、電話による服薬フォロー等を行った。医師からの返答や処方変更、経過観察などを含め、それぞれの患者の薬物治療に介入することが出来た。【考察】残薬バッグの活用は、薬だけでなく、患者の残薬発生の様々な問題点を収集することができる反面、残薬バッグの回収率の結果から活用の認知度が低いと考えられる。残薬バッグ活用の認知を高めるために、服薬指導時での提案、待合室への掲示などで普及を継続していきたい。残薬が発生する原因は多様であることから、医師を含めた医療他職種と連携することにより多角的な解決法を見出すことが必要になってくる。電話によるフォローだけではなく、患者宅へ出向き残薬状況等の確認など、今後も医師と連携し、患者教育を実施していくことが必要と感じる。