第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-129-C] 総合病院との医薬連携強化に繋がるトレーシングレポートの内容の検討

古田 美佐子, 石畑 悠 (なぎさ薬局グループ 寛一商店(株)なぎさ薬局大垣市民病院前店)

【目的】総合病院(903床)の医師とは面談での情報提供が難しい。トレーシングレポート(以下TR)を活用し、医師から必要とされる内容を検討し医薬連携強化に繋げる。
【方法】2021年11月~2022年3月に報告したTRについて、処方・用法・剤形変更、患者の体調・心理等に変化が見られた事を医師の反応有とし必要とされる内容を検討した。
報告したTRは電子カルテに取り込まれ全医師が診察時に見ている事を薬剤部に確認した。
【結果】活動期間終了後、医師の反応を集計すると報告件数32件中20件に反応があり、カテゴリ別で集計すると「服薬状況」11件中6件、「体調」5件中5件、「不安」7件中7件、「残薬」8件中2件に反応があった。
「体調」「不安」には全て反応があり、医師が体調や不安を把握し診察する事で、患者が安心して治療継続できた。眠剤の過量服用では、医師が診察時に把握できなかった原因の背景を報告する事で改善に繋がった。「服薬状況」は一包化、用法変更、剤形変更には直ぐに応じてもらえたが、処方変更は難しかった。改善方法が明確でない場合は変更されず、変更理由と改善方法の道筋を立てて報告する事で変更可能になり服薬状況が改善した。「残薬」は反応が少なく、診察内での調整は難しいようだった。
医薬連携で難しい残薬調整は、薬剤部を通して調整後報告する流れを薬薬連携で進める事になった。また薬薬連携により、病院でのTRの活用状況は報告だけで終わるケースもあるが、短い診察内で患者情報を把握でき診療に活かされている事も分かった。
【考察】診察時に把握し切れない患者の心理、生活状況等の情報は総合病院の医師にこそ必要とされていると考える。面談での情報提供が困難な医師への処方変更はハードルが高いが、変更の理由、変更後の見通しを明確にする事で可能になると思われる。薬剤部と薬薬連携しTRの活用状況を確認しながら情報提供する事で、更に医薬連携が強化されるだろう。