第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2022年11月6日(日) 15:10 〜 16:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-135-C] がん末期患者の在宅における麻薬持続皮下注を用いた薬学管理を行った一例

笹野 寿基1, 竹原 美穂1, 山田 裕介2, 吉田 貴大2, 安川 徹1, 伊藤 智平1, 古瀬 由奈1 (1.タイヘイ薬局メディカルモールおぎ店, 2.タイヘイ薬局メディカルモールしろいし店)

【はじめに】
国民のニーズに応える優れた医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するとともに、住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができる環境を整備するため、薬機法の改正が行われた。この中で、がん等の専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応できる薬局として専門医療機関連携薬局が機能別の薬局の知事認定制度として2021年8月より導入されることとなった。求められる機能の一つとして、がん患者に対し、より高度な薬学管理や、高い専門性が求められる特殊な調剤に対応できる薬局であることがあげられている。今回は、在宅においてがん末期患者に対し麻薬持続皮下注を用いた薬学管理を行った症例を報告する。
【症例】
患者背景:70歳代女性。胆のうがん。腹膜播種。StageIV。卵巣転移、肺転移、右胸水。化学療法施行後も増悪あり、緩和ケアとなり、フェンタニル注持続皮下注による疼痛コントロールを行っていた。自宅での療養を希望され在宅対応となったため、持続皮下注を含めた薬学管理を行うこととなった。
【結果】
在宅開始時はフェンタニル注単独の持続皮下注であったが、消化管閉塞の症状を来しており、オクトレオチド酢酸塩の追加があり、無菌調剤による調整を行った。その後の疼痛状況により、オキシコドン注、ヒドロモルフォン注へとオピオイドスイッチングを行った。疼痛の状況、ドーズの使用回数を把握し、医師と協議した上で、スイッチング時の用量決定に関わった。無菌調剤は計7回を行った。在宅開始時と比較し、疼痛に関する訴えの改善、ドーズ使用量の減少がみられた。
【考察】
緩和ケアの患者で無菌調剤による持続皮下注の管理に関わることができた。医師との協議によるオピオイドスイッチングや、投与量やドーズの使用の確認などに関して訪問看護師と情報共有するなど他職種との連携も密に行うことができた。