第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-136-A] ケアマネージャーと連携し、認知症患者の課題解決に取り組んだ2事例

武田 郁子, 黒髪 純子, 荻原 恵美子, 外山 惠 (クオール薬局まつなみ店)

【はじめに】地域包括ケアを基盤とした在宅医療への薬剤師の介入を推進するためには、地域におけるチーム医療の中で医療職と介護福祉職の橋渡しとして重要な役割を担うケアマネジャー(以下、CM)との連携が不可欠である。クオール薬局まつなみ店の薬剤師がCMと共に患者の課題解決に取り組んだ2事例を紹介し、CMとの連携について考察する。
【取り組み概要】事例1:90歳代、男性、認知症。認知症の進行状況とBPSDについて、CMと情報共有を密に行い、介護度の変更やデイサービス導入等に繋がった事例である。薬剤師が患者家族からの介護負担増加の訴えを聞き取りCMに伝えた事を契機に、サービス内容が見直され、課題解決に導けた。事例2:80歳代、女性、独居、基礎疾患は認知症、骨粗しょう症。服薬アドヒアランス上の問題、食事量の減少によるフレイル状態があるが、介護系サービス導入を拒否している。この2つの課題解決の為に、CMと連携して、患者心理(介護サービスへの抵抗感)解消に取り組んでいる事例である。飲み忘れ解消の為の工夫や薬に関する助言により患者から信頼を獲得し、介護サービスについての会話が徐々に成り立つようになってきた。
【考察】事例1では、薬剤師が認知症患者の生活上の問題点に気付いた際に、遅滞なくCMと連携することで早期の解決が図れることを学んだ。BPSDと家族負担増加について早期に介入できたことは、家族の対応の変化や問題解決に繋がり、本人の尊厳の維持にも役立ったものと思われる。事例2では、薬剤師がCMと密に連携することで、医療側、介護側双方の相互協力の重要性を学んだ。CMがケアプラン作成に際して困難を抱えているケースでは、薬剤師も積極的に協力し、患者への働きかけを担うことも重要である。これにより、互いの職能への理解が進み、更なる効果的な取り組みが可能になると感じた。