第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-141-C] 新規医院医師との信頼関係構築の手段としての服薬情報提供書活用

串山 辰徳 ((株)サンキュードラッグ 穴生店)

【目的】医師と適切に意思疎通を図ることは、薬局運営だけでなく、薬局を利用する患者の満足度を高める上でも重要になる。新規医院開院時に医師との意思疎通を図り、薬剤師の職能を発揮していくためには、医師面談だけでは不足していると考えた。そこで、文献を用いた服薬情報提供書を活用することで、医師に薬局薬剤師の職能理解を促すことを目的とした。
【方法】服薬情報提供書の提出を通じて、医師へ薬剤などの提案を行った。書面のみで意図が伝わりにくい場合は、医師面談も行った。
【結果】2021年9月から2022年5月までの間に、47件の服薬情報提供書の提出と67件の医師面談を行った。47件の服薬情報提供書のうち、12件に対して文献を添付し、17件に対して添付文書・ガイドラインを用いて処方提案を行った。その中でスタチン不耐症の患者に対して介入した。当患者は前医にて家族性高コレステロール血症と診断を受けていたが、治療薬での副作用発現により、定期通院できていなかった。転院してから、アトルバスタチンにて治療開始したものの、筋肉痛などが発現したため、患者から相談があった。そこで、筋肉痛が比較的少ないと報告のあるフルバスタチンを提案した。変更後に再度倦怠感が発現したため、医師へロスバスタチンの隔日投与を提案した。それによって、現在は内服を継続できている。このような積み重ねにより、医師との意思疎通も良好となり、医師から薬剤に関する質問を受けることが増えた。
【考察】医師面談だけでなく、服薬情報提供書での報告によって、薬剤師の考えを過不足なく伝えることができたと考える。薬剤師からの根拠を示した提案を積み重ねることで、患者の治療継続を改善するに至った。文献を示して提案したことで、医師と議論をする機会を得ることができ、お互いの考えをすり合わせることができた。それによって、医師から薬剤師への薬剤に対する質問が増え、信頼関係構築に繋がったと考える。